亀田誠治が語る松本隆トリビュートアルバム「全亀田を投入した」



田家:こんなにジャジーで、メロディアスな曲なんだと再発見しましたね。

亀田:元の原田さんの「キャンディ」とは全く違うサウンドのアプローチで。今の洋楽の傾向として音数がすごく減ってきているんですよ。三浦大知君というと皆ダンスナンバーをイメージすると思うんですけど、ダンスナンバーではなくてグルーヴは歌で作ると。ドラムとかリズム楽器がない中で、三浦大知君の歌の魅力、そして「キャンディ」という曲の美しさを伝えたいと思いました。ここ2、3年くらいで、今までイケイケノリノリなダンスナンバーを歌っていたシンガー達が、薄いトラックの中でリズムや息遣いで音楽を表現していくことが増えてきていて、そういう歌の質感をこのアルバムにも入れたくて。それを表現できるのは三浦大知君しかいない。それは僕が彼の歌の実力を知っていたから。僕が今回大知君とコミュニケーションする中で「今回ドラム入ってないけどごめんね、でも大知の歌なら絶対イケるから」ということを何回か話して、「キャンディ」は仕上がっていった感じですね

田家:そういう意味では、この先も新たなスタイルでアーティストをプロデュースするというのは亀田さんの役割になりそうですね。

亀田:ありがとうございます。「今まではこうだったから」ということを変えていくのがこれから、特にコロナ禍のあとは大事だと思うんですよね。上手く言えないですけど、2匹目のどじょうを狙わないようなスタンスで僕は音楽に取り組んでいきたいと考えていますね。

田家:今作は、プロデュースワークとはどういうものか?という問いの一つのヒントや答えのようなアルバムにもなっております。8曲目は、三浦大知さんで「キャンディ」でした。

Rolling Stone Japan 編集部

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