マネスキンが世界を席巻する理由とは? ロックンロールの救世主が語る野望と信念

マネスキン、左からトーマス・ラッジ、イーサン・トルキオ、ダミアーノ・デイヴィッド、ヴィクトリア・デ・アンジェリス(Photo by Ilaria Ieie)

古くはアバ、セリーヌ・ディオンを生んだヨーロッパ最大の音楽の祭典「ユーロビジョン・ソング・コンテスト」で優勝を勝ち取ったマネスキン(Måneskin)。イタリアが生んだ平均年齢20歳のグループは、いまや2021年の顔となり、世界中で一大センセーションを巻き起こしている。彼らはどこからやってきて、そしてどこへ向かうのか。貴重なインタビューをお届けする。

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あなたが今年のユーロビジョン・ソング・コンテストを見た1億3800万人の視聴者の一人なら、マネスキンを見て椅子から落ちそうになったことだろう。とてつもなく高いブーツを履き、グラムロック的な不遜さをにじませて演奏した激烈なアンセム「Zitti e Buoni」は、このコンテストで1990年以来初の優勝をイタリアにもたらした上に、2006年の優勝者だったフィンランドのローディ以来久々にロックバンドが優勝を手にした。



彼らのこの夏の予定は驚くべき変化を遂げた。かつてのユーロビジョンからは世界的なスーパースターが生まれていたが、21世紀に入ってからスター発掘の実力に陰りが出ていた。しかし、今回の優勝者マネスキンからは紛れもないスターのオーラが溢れ出ており、事実、既にSpotifyのグローバルチャートの上位に彼らの楽曲3曲が食い込んでいる。「Zitti e Buoni」に続いてチャートインしたのが熱量の高いフォー・シーズンズのカバー曲「Beggin’」で、今月初めにオリヴィア・ロドリゴの「Good 4 U」をトップから引きずり落とした。そして彼らの最新シングル曲「I Wanna Be Your Slave」はずっとトップ10に入ったままで、セクシーなミュージックビデオが公開されたこともあり、今後「Beggin’」と同じ地位まで上昇する確率が非常に高い。さらにTikTokを開くと彼らの曲が聞こえたり、もっとマネスキンを聞きたいファンの投稿で溢れている状態だ。

ベーシストのヴィクトリア・デ・アンジェリスは「ほんと、奇妙よ」と言う。「メンバー全員TikTokに興味ないから、そういう投稿は見ることがないわけ。友だちから投稿ビデオを見せられるたびに、かなり不思議な感じがするけど、けっこうクールよね」と。

Translated by Miki Nakayama

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