グリーン・デイ、ウィーザー、フォール・アウト・ボーイら勢揃い「ヘラ・メガ・ツアー」幕開け

グリーン・デイがステージに現れると、すでに日が沈み、観客たちは待ちかねたメインイベントに準備万端のようだった。「American Idiot」から始まった彼らのパフォーマンスに観客たちは爆発したようで、そのまま「Holiday」、「Know Your Enemy」と演奏が続く。昨年のアルバム『Father of All Motherfuckers』はヒットしたが、そこからは一曲も披露しなかった。「Longview」、「Welcome to Paradise」や「Brain Stew」などの往年の名曲の演奏では、1994年に戻ったかのような巨大なモッシュピットが場内に突然出現した。ファンたちは着ているTシャツを引き裂き、お互いに激しくぶつかり合い、ロックダウンの18ヶ月間で溜まった鬱憤を『Dookie』の名曲たちで晴らすかのように発狂しまくっていた。

アルバム『American Idiot』からの楽曲はセットリスト中に散りばめられていて、9分以上になる「Jesus of Suburbia」や「Wake Me Up When September Ends」なども披露された。これらはジョージ・ブッシュが大統領だった時期に作られた楽曲だが、現在でもその歌詞は全く意味を失っていない。ますます愚かな国へと成長しつつある我々にとって、これらの楽曲はもはや時代の関係ないアンセムとなっている。


Natalie Perez for Rolling Stone

終盤に差し掛かり、2016年のアルバム『Revolution Radio』から「Still Breathing」が演奏された。この楽曲は、困難な時を乗り越えた後の人生における意味を探すという歌詞で、コロナ禍において新たな意味を持つようになった楽曲でもある。「I’m like a soldier coming home for the first time, I dodged a bullet, and I walked across a landmine/Oh I’m still alive(初めて家に帰ってきたみたいだ。銃弾を避けて、地雷原をくぐり抜けて。あぁ、まだ生きている)」

この歌をグリーン・デイと一緒に歌えたこと、そしてこれまでの時間を過ごしてきた今、スタジアムで生のロックンロールを聞けたことは大きな喜びだった。数ヶ月先にどうなっているかすら分からない現在だが、少なくともこの夜だけは、私たちは呼吸していたし、歌を歌っていた。

From: Green Day, Weezer, Fall Out Boy Launch ‘Hella Mega’ With Epic, Emotional Dallas Concert
 

Translated by Kazuhiro Ouchi

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