「ゾンビランドサガ リベンジ」主題歌・挿入歌の制作者が語る、音楽の力とアイドルアニメの新境地

第12話のライブシーンの舞台裏

—第12話最後のスタジアムでのライブシーンは圧巻でした。ドラマが盛り上がる大切なシーンで、しかもかなり長尺のライブですよね。

佐藤:CMなしで走るじゃないですか。無茶しやがってっていう状況なんですけど。たぶんエイベックスさんが各方々に頭下げまくって実現したんじゃないかな(笑)。本当はもう一曲あったんですが、流石に尺が足りなくて削ってるんです。それでも3分の1くらいはライブパートで終わるって、やっぱりボリューミーですよね。



—音楽作ってる側としては、ああいう映像になるのはうれしいんじゃないですか? 加藤さん編曲の「REVENGE」と作編曲の「輝いて」もありましたし。

加藤:「REVENGE」前のOverture「ChouChouture」も作らせて頂いたんですけれども、そのあたりも含めて、イメージ通りに出来上がっているんじゃないかなと思っています。僕の立場からすると、第12話のライブシーンはホッとしたっていうのが正直な感想です。例えば自分が提供したアーティストのライブを生で見に行くと、いい感じで歌えるんだろうかってどうしても心配して見ちゃう。今回はアニメの世界なので、リアルタイムでやるわけでもないのに、大丈夫かな?って気持ちで見ちゃうんですよね。逆にそれぐらい臨場感のある、引き込まれる形で出来ていたんじゃないかなと思います。

佐藤:いくらアイドルとはいえ、アニメでOvertureからライブが始まるとか、なかなか出来ないと思うんです。リアリティがあって、そのアイデアも含めて面白いライブ映像でしたよね。

—セトリに関しては、佐藤さんも助言したんですか?

佐藤:やる曲はほぼ決まっていて、順番どうしようって話はあったんですけど、もうこの流れしかないよねって。「REVENGE」に繋がるように「ChouChouture」も作っているので。話の流れで「輝いて」が終わった後に「ヨミガエレ」という案もあったのですが、あそこで最後の曲が「ヨミガエレ」だと、セットリスト的にちょっとギミックっぽく感じちゃう。でも「輝いて」だと、なんかありそう、みたいな(笑)。しっとり終わって、最後にアンコールで前回同様に明るい曲で締めるっていう。とても実際のライブ感があって面白いなと思いますよね。





—そうですよね。第1期のアルピノのライブでの建物が崩れていく感じもすごく劇的でしたけど、そうではなく大勢の観客を前に真っ当なコンサートをするのもすごくきれいな終わり方ですよね。

佐藤:そうですね。さくらが泣き崩れるのも実際映像でみるとより感動してしまいました。

加藤:無事歌い切れてよかったね、って思いました。

一同:(笑)

加藤:作り手目線になっちゃうんです。大丈夫か?って。おっしゃる通り第1期でああいうことがあったから、「最後まで歌いきってくれ」と思いながら見てしまって。


「ゾンビランドサガ リベンジ」第12話より(©ゾンビランドサガ リベンジ製作委員会)


「ゾンビランドサガ リベンジ」第12話より(©ゾンビランドサガ リベンジ製作委員会)


「ゾンビランドサガ リベンジ」第12話より(©ゾンビランドサガ リベンジ製作委員会)


「ゾンビランドサガ リベンジ」第12話より(©ゾンビランドサガ リベンジ製作委員会)


「ゾンビランドサガ リベンジ」第12話より(©ゾンビランドサガ リベンジ製作委員会)

—キャストの皆さんも、明らかに表現力がアップしているなって如実に感じられました。

佐藤:そうですね。第11話の駐車場で歌ってるシーンの「目覚めRETURNER」とか「ヨミガエレ」は、レコーディングで録ってないですからね。たぶんアフレコでその場で歌っているんだと思います。第1期の「ヨミガエレ」でアルピノが崩れた後の、復活してソロで歌っているところとかもアフレコ時に歌っているので、僕も知らない間に「あれ? なんか歌ってる」みたいなことが今回もちょいちょい発生していて(笑)。しかもちょっと生々しくて。下手に歌っているわけでもないと思うんですけど、本当に“やってる風”に歌っているのがすごいなと思って。それにちょっと感動しました。


「ゾンビランドサガ リベンジ」第11話より(©ゾンビランドサガ リベンジ製作委員会)


「ゾンビランドサガ リベンジ」第11話より(©ゾンビランドサガ リベンジ製作委員会)

—その生々しさがあるからこそ、見てる方も「頑張って歌いきれるかな」とか感情移入しやすくなるのかもしれないですね。
 

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