アリーヤのストリーミング解禁、遺産管理法人は心中複雑「透明性の欠如」

アリーヤ(Photo by Getty Images)

遺産管理法人の懸念をよそに、アリーヤの楽曲がついに今月ストリーミングサービスに登場する。

8月4日、アリーヤの遺産管理法人は数カ月ぶりにツィートし、「透明性や責任の所在がないまま、アリーヤの音楽を公開しようとする言語道断な試み」を非難する声明を発表した。翌日には同法人の弁護士が、アリーヤのレーベルBlackground Recordsや共同創始者であるアリーヤの叔父バリー・ハンカーソン氏を名指しこそしなかったものの、さらに具体的な声明を発表した。

「2000年代初期以降、ストリーミングで視聴可能だったのは唯一アリーヤの1stアルバム『エイジ・エイント・ナッシング・バット・ア・ナンバー』だけでした。Blackground Recordsとの契約書により、大手レコード会社がこの作品の販売権を所有していたためです」 遺産管理法人Aaliyah LLCのポール・リカルシ弁護士はこのように声明を発表した。「1stアルバムを除き、残る彼女の作品は数々の未公開楽曲も含め、どういうわけかBlackground Recordsが公表を差し控えてきました」

8月6日にビルボード誌に掲載されたインタビューの中で、ハンカーソン氏はBlackground Recordsがレコード会社Empireと新たな契約を結び、ついにアリーヤのアルバム――およびトニー・ブラクストン、ティンバランド&マグー、タンクといったBlackground所属アーティストのアルバム――がストリーミング配信されることになる、と語った。


組織改編した新生Blackgroundは、手始めに同日午前に今後のリリース計画を示唆し、その後具体的な日程を公表した。8月20日にアリーヤの『ワン・イン・ア・ミリオン』がストリーミング配信された後、9月3には映画『ロミオ・マスト・ダイ』『DENGEKI電撃』のサントラが、9月10日には生前最後のアルバムとなった2001年の『アリーヤ』が、そして10月8日には2枚組コンピレーションアルバム『I Care 4 U and Ultimate Aaliyah』が配信される予定。

ビルボード誌も報じているように、Blackgroundとアリーヤの遺産管理法人はこの数カ月歩み寄りを試みたが――法人側の主張によれば――すでにEmpireとの契約が締結された後だった。アリーヤのマスター音源の所有権を持つハンカーソン氏は、同法人の承諾なしで契約を結ぶことができる。

Translated by Akiko Kato

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