清春が初ブルーノート東京公演で魅せたヴォーカリストとしての進化・深化

その一方で、ソロになってからの清春はボーカリストとして驚異的な進化・深化を遂げてきた。

コロナ前のインタビューでも「良い歌を歌い、歌い手として評価されたい」と語っていたが、実際、コロナ禍における清春の進化・深化は著しかった。多くのミュージシャンがコロナ禍でライブが出来ず、翼をもがれ苦しんでいる中で、清春は『A NEW MY TERRITORY』というストリーミングによるパフォーマンスを月に2公演行い、ボーカリストとして新しい境地へと辿りついていた。少しだけ説明すると、『A NEW MY TERRITORY』は毎回映像監督がディレクションをし、魅せることに特化した無観客のライブ・パフォーマンスだ。シアトリカルの要素が強く、所謂〝配信ライブ〟とは本質的に違う。更には同時に全曲をライヴレコーディングし終演後にダウンロードが可能となる。

その対にあるのが清春が今年の5月から始めた『残響』という有観客のライブ。こちらはクラッシックコンサートが行われるホールで行う歌に特化した有観客のライブだ。(7月のライブレポートを参照

魅せる『錯覚リフレイン~A NEW MY TERRITORY~』と、聴かせる『残響』の二つのことなるパフォーマンスをコロナ禍で行ってきた清春が他のアーティストよりも頭一つ、否、二つ以上抜けているのは当然だ。そしてその流れでいえば、清春のブルーノートのステージは必然でしかない。

Rolling Stone Japan 編集部

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