1100万円で落札のチキンナゲット、「児童人身売買」陰謀論の引き金に

チキンナゲット(Photo by Polizna/Ebay.com)


「性的人身売買デマ」拡散の仕組み
   
さらに厄介なことに、チキンナゲットのTikTok動画が投稿されてからというもの、ナゲット拡散動画は性的人身売買の隠れ蓑だという主張は他のプラットフォームにも飛び火した。とりわけYouTubeでは、数々の極右陰謀論に染まった“ニュース”チャンネルに投稿された。「なぜチキンナゲットを何千ドルもの値段で売る人がいるのか。僕には児童売春にしか思えない」と、あるユーザーはeBayに投稿した。「こんなことを容認するなんて、eBayは恥を知れ」

ぱっと見たところ、eBayのチキンナゲット出品にまつわる噂は、昨年の夏(もっと大規模だったが)やはりTikTokに端を発したWayfair家具店の陰謀論に驚くほどよく似ている。Wayfairのwebサイトで業務用家具が法外な値段で販売されているのを見た一部ユーザーに端を発し、インテリア用品や家具を扱うこのサイトは児童人身売買の隠れ蓑だ、という根も葉もない陰謀論が広がったのだ。この説の支持者らは、家具に高値がついているのは密かに子供を運んでいるからだ、と信じこんでいた。

他のプラットフォームに瞬く間に広がったこともあり、Wayfair陰謀論は「信じられないほどの損害をもたらしました」と、TikTokに拡散する性的人身売買の陰謀論を専門に追いかけているディーンさんは言う。「Wayfair陰謀論の結果、さらに多くの陰謀論が生まれました。皆さん自分たちが暗号解読に関わっていると考えて熱狂し、いまではあちこちで、この手の価格不均衡探しが行われています」

Wayfair陰謀論の拡散を受け、ポーランドのドキュメンタリー映画はイスラム教が運営する小児性愛秘密結社をテーマにしているとか(デマであることが証明されている)、スーパーマーケットのTargetが人身売買の中核だという説など、児童売春にまつわるデマがいくつもTikTokに登場した。ディーンさんはeコマースサイトが陰謀論の標的にされている一例として、Amazonで数千ドルでまとめ売りされている子供用のパーティハットを例に挙げた。「高額の値がつけられているアイテムを見つけた人が、価格の理由を調べもしない」のが原因だ。

Translated by Akiko Kato

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