松本隆と振り返る、トリビュートアルバム『風街に連れてって!』

松本隆トリビュートアルバム『風街に連れてって!』




田家:FM COCOLO「J-POP LEGEND FORUM」、7月14日に発売になりました、松本隆作詞活動50周年トリビュートアルバム『風街に連れてって!』を1ヶ月間にわたってご紹介しています。今週と来週のゲストは、松本隆さんご本人です。今流れているのは、この番組の後テーマ、竹内まりやさんの「静かな伝説(レジェンド)」です。

今週と来週はこのアルバムの中の曲を聴いてから原曲に戻ろうという趣向でやっております。当時は全然知らなかった、生まれてなかった方もいらっしゃるわけで。今回のアルバムの歌を歌っている方のファンの方にも、こんな曲が当時あった、松本さんはこういうことをやってきたんだよという話が伝わればいいなと思いながらこういう構成にしました。と言いながらも、僕らもこのアルバムで色々な発見をしてるんですよね。時代と切り離して新しい歌として聴くという、本当にいい機会になってると思います。例えば、「SEPTEMBER」と「Woman “Wの悲劇”より」の2曲の歌詞の違いと共通点に改めて気付いたりもしたんです。つまり、「SEPTEMBER」は情景とか心の動きとかストーリー性が1曲の中に書き込まれてますが、「Woman “Wの悲劇”より」は書き込んでない。書き込まない中で、ストーリーをどう伝えるかということでいうと、この「Woman “Wの悲劇”より」は松本さんの作詞家としての凄みみたいなものを物語った曲だなとも思いました。でも、これは1984年に書かれている。すでに40年近く経っているんですけど、全然古さを感じない。特に言葉というのは、流行語や言い回し、比喩、死語なんかも生まれるわけで。松本さんの詞には、それがないなあと強く思わされる今回のアルバムでもあります。気をてらってないと言いましょうか。作詞家がヒットを狙うときは、気をてらったり、引っ掛けやあざとい仕掛けがあったりするものですが、松本さんの詞にはそれがないと断言しちゃいましょう。今週は前半をお聞きいただきましたが、アルバム後半の彼の話も新しいアルバムの聴き方を教えてくれるのではないのでしょうか。


左より松本隆、田家秀樹


<INFORMATION>


田家秀樹
1946年、千葉県船橋市生まれ。中央大法学部政治学科卒。1969年、タウン誌のはしりとなった「新宿プレイマップ」創刊編集者を皮切りに、「セイ!ヤング」などの放送作家、若者雑誌編集長を経て音楽評論家、ノンフィクション作家、放送作家、音楽番組パーソリナリテイとして活躍中。
https://takehideki.jimdo.com
https://takehideki.exblog.jp

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