松本隆と振り返る、トリビュートアルバム『風街に連れてって!』



田家:続いて3曲目「SWEET MEMORIES」。1983年、松田聖子さんの楽曲。作曲は大村雅朗さん。歌っているのは、YOASOBIでikura名義で活動されています、幾田りらさんです。この曲はすごいですね。

松本:根こそぎ持って行かれますね。

田家:聖子さんの曲をこういうトリビュートで選ばれるときは大変だろうなと思いますけどね。

松本:僕は全然選曲にタッチさせてもらってないので(笑)。

田家:1999年の『風街図鑑』はご自身の選曲でしたよね。

松本:あの時も川勝(正幸)くんと僕の娘と二人で選んでましたね。近づくと、「パパはあっち行ってて」って(笑)。風編の方はヒット曲のシリーズで、もう一つマニアックな選曲の街編もあって、そっちは少し口を挟む余地があったんだけどね。

田家:今回はそれ以上にノータッチだった?

松本:話も出てこなかった(笑)。

田家:でもこういう曲を選んだという連絡は来るわけでしょう?

松本:いや、音を録ってからくるよね。どれ聴いてもすごいからさ、ほぼ完成してた。未完成状態で聴いたのは川崎君だけかな。

田家:レコーディングにも立ち会われた曲もあったんですよね。「SWEET MEMORIES」はこうなるか、という驚きもありましたか。

松本:亀田君って現役の時一緒に仕事してないんだよね。ちょうど僕が引き上げてきた頃に彼が入ってきたわけで、そういう意味ではすれ違いだったのね。本当は亀田君と仕事をしたかった(笑)。

田家:1998年に椎名林檎さんのプロデューサーを務めたのが最初という経歴ですもんね。

松本:1998年だと、僕はもうKinKi Kidsくらいしか歌詞を書いてないね。

田家:でもこうやって受け継がれていくんだなという一つの代表的な作品になった感じはありますよね。

松本:彼も極めてはっぴいえんど系だよね。

田家:それでは原曲、松田聖子さんの「SWEET MEMORIES」です。

Rolling Stone Japan 編集部

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