松本隆の作品に通底しているもの、トリビュートアルバムを本人と振り返る

本隆トリビュートアルバム『風街に連れてって!』




田家:ランキング1位だったという期間が長かったという話もありましたけど、ヒットという感覚はキャリアを重ねる中で変わってくる部分はありました? ヒットの必要性とかヒットすることの持つ意味とか。

松本:シングルのヒットとアルバムのヒットはちょっと違うんだよね。僕はアルバムが好きだから、アルバムを一生懸命やってたんだけど、だから京平さんと僕もヒット曲の定義がちょっと違う。京平さんはシングルだけ。僕はシングルだけというのは一見派手なんだけど、効率悪いなと思って。だってこの前『A LONG VACATION』の40周年の時に、スタッフにどれくらい累積で売れたって訊いたら、300万枚って言ってて。300万枚売れたら、300万のヒットが10曲なわけだよね。一枚のアルバムで300万10曲なんて売れた人っていないんだからさ(笑)。そっちの方が僕はいいと思うんだけど。逆にサブスクだとまたシングルになるけどね。

田家:亀田さんは「この曲の思い出は街鳴りの思い出に尽きる」と。

松本:街鳴りってなに?

田家:街の中で鳴っているということですね。パチンコ屋とかデパートとか。

松本:それで思い出すのは、1980年代に松田聖子のアルバムをやっていた時に、全部仕上げて、録音したテープをカッティングに送って作業が終わるじゃない。もう松田聖子の名前も顔もないところに行きたいと思って、白馬のスキー場に行ったのね。車で着いたのが夜中でさ、疲れてるからすぐ寝るよね。そうしたら朝の7時くらいから、窓の外に置かれてる拡声器から松田聖子の歌がエンドレスで流れてきて(笑)。結構でかい音だし寝てるどころじゃなかったことがあるよ。

田家:逃げようがない(笑)。この「ルビーの指環」からも逃げようがなかったんではないでしょうか。お聞きいただいたのは、寺尾聰さんの「ルビーの指環」でした。

Rolling Stone Japan 編集部

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