BTS「Butter」は、バターの売上に貢献したのか?

2021年5月下旬に米国でバター製品の売れ行きが上昇したのは、本当に楽曲「Butter」がきっかけになっているのだろうか。ラジオのポップ番組で頻繁にかかるK-POP曲を聴いて唾液腺を刺激された人々が、スーパーマーケットの乳製品売り場に走ったのかもしれない。ただし全米バター協会や全国乳製品連盟のデータを見ると、米国の全家庭の約74%で毎年規則的にバターを購入している。「パンデミック前も国民1人あたりのバターの消費量は右肩上がりに増えていて、2019年は1960年代以来最高の数字を記録していた」とビエルガは言う。「つまり、バター人気はしばらく前からずっと続いてきたのだ。」

シングル曲のリリース日とバターの売上高との関係性を追うことはできるが、バターの売上増加の原因をシングル曲「Butter」に結びつける明確な理由は見当たらない。しかし複数の研究によると、消費者がスーパーマーケットを選ぶ基準はさまざまな条件に影響されやすく、さらに消費する金額は、店内に流れる音楽に影響を受けやすいという。自らを「バックグラウンドミュージック版Spotify」と称し、多国籍レストランのリサーチも実施するSoundtrack Your Brandは、店内に流れる音楽のジャンルやテンポが消費者の選ぶ食事の種類に影響すると主張している。

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2021年7月2日時点で「Butter」は、ローリングストーン誌のトップ100ソングにおいて7週連続で第2位をキープしている。また現時点でのオンデマンドストリーミング回数は、約8600万回に達している。BTSの直近のメジャーヒット作は、2020年8月の「Dynamite」だった。ただ、曲のおかげでダイナマイトの売れ行きが伸びたなどという分析結果は、これまで聞いたことがない。

From Rolling Stone US.

Translated by Smokva Tokyo

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