ザ・スパイダースが与えたシーンへの影響、当時のプロデューサー本城和治と振り返る

田家秀樹と本城和治

日本の音楽の礎となったアーティストに毎月1組ずつスポットを当て、本人や当時の関係者から深く掘り下げた話を引き出していく。2021年8月は元日本フィリップス・レコードのプロデューサー、ディレクターである本城和治の50曲特集。第1週は、彼が手掛けたザ・スパイダースの作品について振り返る。

田家秀樹(以下、田家)こんばんは。FM COCOLOJ-POP LEGEND FORUM」案内人、田家秀樹です。今流れているのはザ・スパイダースで「あの時君は若かった」。19683月発売のシングル、今月の前テーマはこの曲です。一時、テレビの懐メロ番組でこの曲がテーマだったり、番組の最後に皆でこの曲を歌ったりすることが頻繁にあって、嫌だなあ、安易だなあと思っていたんです。が、今月はこの曲を毎週お聞きいただこうと思っております。お盆の月ですから、昔の友達に会うとか亡くなった方の前で手を合わせる機会が多くなって、あの時は皆若かったよなあという気分になるのが8月ではないかと思います。タイトルの""はリスナーのあなた、そして僕らだけでなく今月のゲストにも向けられています。若かったですね、という気分で始めたいと思っております。

あの時君は若かった / ザ・スパイダース

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今月20218月の特集は、本城和治の50曲。元日本フィリップス・レコードのプロデューサー、ディレクター。1939年生まれ。もし彼がいなかったらその後の日本のポップミュージックはどうなっていただろう? あの曲、そしてあの人は生まれていなかったのではないか? と思わせてくれる重要な場面をお作りになってきた方であります。何よりもグループサウンズとキャンパスフォークに関して彼の右に出る人はいません。彼が手掛けたメジャーなGSバンドは10組以上。一人でそれだけ手掛けたのは彼だけでしょう。「あの時君は若かった」の制作者であり、ザ・スパイダースを世に送り出した方。今月は彼に選んでいただいた50曲をお聞きいただこうという1ヶ月です。今週は、去年から今年にかけてデビュー55周年のザ・スパイダースについて語っていただこうと思います。

Rolling Stone Japan 編集部

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