ザ・スパイダースが与えたシーンへの影響、当時のプロデューサー本城和治と振り返る

なんとなくなんとなく / ザ・スパイダース

田家:こういうイントロだったなと改めて思いました。

本城:これは当時ニュー・ボードビル・バンドの曲が大ヒットしましてね。そのサウンドを取り入れてブラスも入ったりして変わったサウンドにして。で、「夕陽が泣いている」は完全に堺正章のソロだったので、これは逆に井上順のソロのレコードにしました。今となってみるとこの曲が一番色々な場面で使われてますよね。最近だとNHKで新人の女性歌手が可愛い声で歌っていて、これは女の子が歌ってもいいなあと思いました。結構スタンダード化しましたね。

田家:当時も息の長い曲になると思いました?

本城:いや全然思わなかったです(笑)。

田家:でも、この「なんとなくなんとなく」のカップリング「ブーン・ブーン」もジョン・リー・フッカーの作詞作曲でかまやつさんが歌っていますね。

本城:アニマルズの曲を参考にしたやつですけどね。

田家:かまやつさんもこの曲を長く歌ってましたね。こういうカップリング曲も含めて、この時期にこういう曲をやりたいという要望はバンドからもあったんですか?

本城:そうですね。当時はオリジナルがそんなに作れなかったですし、当時のGSグループのステージでも外国語の曲のカバーが中心になっちゃいますからね。ザ・スパイダースもオリジナル以外のシングルも出してますし。

田家:曲がもっとあればなあ、という思いもありましたか?

本城:日本の音楽がまだ成熟していなかったというのもありまして。特に諸外国、アメリカやイギリスの曲の良さにかなわない部分はあったので。

田家:この話は今月のメインテーマにもなるかもしれません。来週はザ・スパイダース以外のGSグループも紹介します。

Rolling Stone Japan 編集部

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