日本最初のバンドブームとなったGS仕掛け人・本城和治とともに振り返る



田家:これかっこよかったですね。イントロのファズギターもかっこいいですよ。この曲の作詞が漣健児さんで、作曲が鈴木邦彦さん。鈴木邦彦さんは、このちょっと前にザ・ゴールデン・カップスの「いとしのジザベル」を発売している。あれもいい曲でしたね。

本城:その前に黛ジュンの「恋のハレルヤ」でも話題になってましたよね、あれもGSみたいな。この曲は漣健児の作詞になってますよね。最近気づいたんですけど、漣健児は訳詞家で作詞した記憶ないんだけど、なんで作詞家にクレジットされてるのかわかんなくて(笑)。当時シンコーミュジックでジャガーズの面倒を見てた青柳さんという方に電話して確認してみたんですよ、そしたら「実はこれ私が書いたんですよ。漣健児の名前を使わせてもらったんです」と。

田家:シンコーミュージックらしい、と言えば怒られそうですけど(笑)。次の「マドモアゼル・ブルース」は筒美京平さんが作曲されています。

本城:ジャガーズの岡本信とかの声の質感と京平さんのセンスが合いましたね。この後ずっと京平さんにジャガーズはやってもらうことになったんです。ある意味歌謡曲っぽいんですけど、ジャガーズには上手く合った気がします。

田家:筒美京平さんは、「マドモアゼル・ブルース」とオックスの「スワンの涙」の印象が強かったですね。素敵な曲だなと思ったことがありました。GSというとミリタリールックというのがGS全体のイメージになったりもしていますが、ジャガーズはミリタリーのイメージがありましたね。

本城:ザ・ジャガーズとザ・スパイダースでしたね。これはやはり、ビートルズの『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』のイメージが大きかったんじゃないですかね。イギリス風のミリタリーのイメージだと思うんです。

田家:なるほど。次の曲のシングルのジャケットもミリタリーでした。ザ・テンプターズで「忘れ得ぬ君」。

Rolling Stone Japan 編集部

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