「障害」をめぐる考え方、多数派が少数派の文化や特性を尊重する大切さ

Source of photo:Pixabay

音楽学校教師で産業カウンセラーの手島将彦が、世界の音楽業界を中心にメンタルヘルスや世の中への捉え方を一考する連載「世界の方が狂っている 〜アーティストを通して考える社会とメンタルヘルス〜」。第41回は、東京2020パラリンピックを契機に「障害」をめぐる考え方について産業カウンセラーの視点から伝える。

東京2020パラリンピックが開催されています。「障害」をめぐる考え方について以前この連載の第10回「LD(学習障害)とは? 『障害の個人モデル』から『障害の社会モデル』への転換へ」でも少し取り上げましたが、この機会にもう少し考えておきたいと思います。

関連記事:SIRUPと手島将彦が語る、当事者ではないからこそ知っておくべきメンタルヘルス

障害に対する考え方には「医学モデル」「社会モデル」そして「文化モデル」があります。まず「医学モデル」ですが、これは「個人モデル」とも言われ、障害を個人の心身機能の障害によるものだと捉えます。一方で「社会モデル」は、障害をもたらしているのは、ある人が持つ心身の病気や怪我のせいというよりは、それを考慮することなく構成されている社会のせいである、と考えるモデルです。例えば、車椅子を使用している人が、エレベーターがない、通路や入り口の幅が狭い、などによってお店に入れないとしたら、その環境こそが障害を生んでいる、つまり、障害は社会の側にある、と言えるわけです。

Rolling Stone Japan 編集部

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE