伊津創汰が語る、新しいシンガーソングライター像の探求

伊津創汰



─音楽の聴き方にも影響はありましたか?

スティーヴィー・ワンダーとか、昔のソロミュージシャンの曲をよく聴くようになりました。あとはずっと好きだったマイケル・ジャクソンとか秦基博さんとかですけど、自分の考え方が変わったことで、売れてる音楽の不自然な部分にも気づけるようになったんですよね。今まではわかりやすい部分や気持ちいいメロディだけを聴いて解釈してましたけど、そうじゃない部分がもしかしたらその人のオリジナリティなんじゃないか、と気づいて、そこを重点的に聴くようになりました。

─マイケルとか秦さんは伊津さんにとって、迷ったりしたときに立ち返る場所みたいな音楽なんでしょうね。何度も聴き直して、新たに解釈していくという。

それが「面白い!」ってなったんです。少し前まで、オリジナリティって何なのかがよくわからなくなってたんですよ。僕自身「個性がない」とか言われまくって、「個性って何なんだ?」ってモヤモヤしていた時期でもありましたし。変な部分というか、不自然な組み合わせ方だったり、ワードセンスの独特さみたいなものに気づいて、「もしかしてこういうこと?」みたいな。まだ確信はないんですけど、考えるようになりました。

─曲作りやライブも変わってきましたか?

ここ1、2年、ルーパーを使ってひとりバンドみたいな方向にけっこう振り切ってやってたんです。めちゃめちゃ音を重ねて、マイクも2本立てて、みたいな。最近はそれはちょっと違うなと思って、それよりもコードで遊んでみたり、そこから出てくる新しいメロディを目指すようになりました。トラックでやるよりも、その場で生み出すリズムとかグルーヴとかメロディのほうが、自由で面白い音楽が作れるんじゃないかなと思って。最近はバンドに混じって弾き語りでやるのも楽しくて、ルーパーはちょっと控えてます。

─そうした変化を反映させた第1弾が「タイムカプセル」ですかね。

そうですね。今お話ししたようなことを意識するようになって、4〜5月ぐらいに作り始めた曲なので。今回はガットギターを使って作ったんですけど、ループミュージックを聴いていたら浮かばなかった発想ですね。イントロもクリックに合わせるんじゃなくて、自分の中のタイム感で弾いたりして。聴く音楽が変わってきたので、そのほうが面白いんじゃないかと思えたんです。

Rolling Stone Japan 編集部

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