伊津創汰が語る、新しいシンガーソングライター像の探求

伊津創汰



─セルフライナーノーツもいい文章だと思いました。

ありがとうございます。書き方がわからなくて、「何だ、セルフライナーノーツって?」って感じだったんです(笑)。小説が好きでよく読んでて、いつか自分も文章を書きたいなとは思っていたので、解説じゃなくて、この曲から新しい物語を作ってみようみたいな。なので、あまり曲と関係ないんです。

─はい、わかります。

曲の中に使った言葉を出してちょっとつなげつつ、別の物語を書いてみようと。自分の感じてきたもの、見たものを組み合わせて書きました。だからセルフライナーノーツも「タイムカプセル」も、あんまり共感とかは考えてないんですよね。自分の見てきた景色と思いを物語にしたので、こういうふうに聴いてほしい、みたいなこともあんまりなくて、聴いた人がそれぞれの思い出と紐づけて、その人のタイムカプセルを作ってくれたらいいなと思ってます。まぁ、書くときにそこまでは考えてませんけど(笑)。

─出来上がってみないと、どんな曲になるかわかりませんものね。大サビの《大好きだった 花のようなあの子は》のくだりはひときわ印象的です。

これには実際モデルというか、思い出した子がいます。たぶん書いていることも本当っちゃ本当だと思います。本当をちりばめると真実味が増すじゃないですか。意識的にそうしたかどうかは自分でもわからないんですけど、昔と今をつなぐ一節がほしかったんです。自分もこのくだりがいちばん気に入ってます。いちばん感情がこもるというか。

─聴いていてもここで一気に曲に色がついたような感覚がありました。昔と今が鮮やかにコントラストを描く瞬間ですよね。僕自身も含めて、多くの人が経験したり目にした光景だろうから感情移入もしやすいし、とても効果的なんじゃないでしょうか。

いやー、めっちゃうれしいです。まぁ、それをここに持ってきたのもなんとなくだったりするんですけど(笑)。夕方の空が好きで、空を見上げていたときに「この感じを、ひとがやらない描写で書きたい」と思って、たまたま紫陽花が咲いてる時期だったので、パッと浮かんだのが《紫陽花色の空》という言葉だったんです。自分だけの風景描写がそれでできてしまうな、みたいな。

Rolling Stone Japan 編集部

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