シティ・ポップの源流、70年代後半の名曲を本城和治と語る

本城和治(以下、本城):こんばんは。本城です。

田家:よろしくお願いします。今週は名曲編と括ってみました。今までが名曲じゃなかったということではないんですけど、ジャンルでなかなか分けられない曲もあるなと思って。

本城:そうですよね。

田家:GS、それから本城さんがネーミングされたカレッジフォークとかですね。ポップス、歌謡曲とかいろいろな分かれ方があるんですけど、そういう括り方について思われていたことはどんなことでしょう?

本城:私はあまりジャンルというのは気にしないというか、自分の作る音楽はある程度一貫していました。まあ、意識して歌謡曲っぽいものを作ったとか、そういうことはありますけどね。

田家:でもやっぱり、そういうのもありながら、ある種の基準はずっとおありになるんでしょうね。基準というのはどんなものなんでしょうね。

本城:あのね、ざっくばらんに言っちゃうとね、自分が買いたいレコード。自分が買いたい曲。自分の買いたいものを作るのが1番いいなと思っていたんですよ。

田家:なるほどね。自分が聴きたいものであり、自分が買いたいものであり。制作者でありながら、聴き手なんですね。良質なアーティストは良質な聴き手であるというのはありますけど、作り手、ディレクター制作陣もそうだということですね。

本城:そうですね。

田家:で、今週はそういう「良い曲ってなんだろう?」みたいなことも考えながら、お聴きいただけると思います。今日の1曲目。これは当時、全く知られてなかったのではないかと思ったりしますが、1971年5月に発売になった、加橋かつみさんの「愛は突然に・・・」という曲です。作曲はまだ高校生、17歳の荒井由実さん。作曲家としてのデビュー曲です。

Rolling Stone Japan 編集部

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE