チャーリー・ワッツから感じるロックンロールのリズムの成り立ち、鳥居真道が徹底考察

「やはりMONOで聴きたく…」



さらにいえば、チャーリーは際どい演奏をしているにも関わらず、バンド総体で聞いたときに辻褄が合っているように聴こえるという点がまさに驚異的です。バンドで演奏する際に、何を基準にアンサンブルを組み立てるかというコンセンサスが取れていないと全体の演奏にちぐはぐになりがちです。例えばドラムの演奏を基準にするにしても、ハットに合わせるのか、キックに合わせるのか、スネアに合わせるのかで全然違ってきます。一番手っ取り早い解決方法は3点のタイミングがきちんと整えられるドラマーを雇うことでしょう。けれどもロマンがないといえばない。

ストーンズのアンサンブルは何か基準を決めてかっちりとリズムを組み立てるようなタイプではありません。ばらばらの演奏が表面張力ぎりぎりのところで保たれており、そのスリリングな様がまさしく魅力になっているのだと考えています。

チャーリー・ワッツは癖の強いドラマーというイメージがありますが、シャッフルを演奏している際にはそこまで癖の強さを感じさせるわけでもありません。こなれていると言っても良いでしょう。その理由を本人が元々ジャズに傾倒しているからといってしまうのはいささか安直でしょうか。



チャック・ベリーのシャッフル曲「Around And Around」のカバーはどうか。この曲においてはチャーリーが場を支配しているといっても過言でありません。ぐいぐいとバンド全体を引っ張ってドライブさせつつ、ステディな4分音符でボトムを支えています。

Rolling Stone Japan 編集部

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