ビッケブランカが語る、「歌」を絶対的主役に置く方法

ー最近のインタビューを拝見していると、サウンド面へのこだわりや探究心がかなり増している印象を受けますが、そのあたりの考え方に変化はありますか?

歌が絶対に主役だという考え方に変わりはありません。わざわざ言葉にする必要がないぐらい鍛錬しているから、取材のときとかは曲の話に行きがちなんです。もちろん曲のことを掘っていくと、こういう音処理をするんだとか新しい発見があるんですよ。日本人はシンセサイザーに対してまずEQをかけて、その後にスプレッダーで分けて、ちょっとブーストかけてみたいな。ロサンゼルスの人は始めに音にブースターをバンってかけてからEQでちょっと抑えるみたいな。常識が違うことも知ったり、新しいことを勉強して、どんどん賢くなっていっているんです。それが楽しいのは楽しいんですけど、作詞とかメロディメイクに1番重きを置いているのは変わってないですね。

ーちなみに、作詞作曲の鍛錬ってどうやってしているんですか?

曲を作りまくることと、語彙を増やすことがひとつあります。知らない言葉があると絶対にすぐ調べるようにしていて。言葉が分からなくて曲を書けないってことはないようにしたい。例えば、雨を描写したい時に、いろいろな雨を思い浮かべて自分のイメージに1番近い言葉をしっかり選び抜きたいんです。「WALK」って曲では、バーって横に降る“驟雨”って言葉があって、その曲の景色に合うと思って最初に選んで書いていったんです。

ーそこまで具体的に明確にイメージしてから、合う言葉を選んでいくんですね。

もしそこで驟雨って言葉が思い浮かばなかったら、雨を想像するの辞めちゃうかもしれない。知識を持たなきゃなと思ったんです。メロディメイクに関しては、ひたすら作っていって、曲を作ることを目で見えるようにしていく感じですね。

Rolling Stone Japan 編集部

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