GSとカレッジフォークの仕掛け人・本城和治と振り返る、ジャンルを越えた名盤

田家秀樹と本城和治



Walking My Baby Back Home / かまやつひろし&ティーブ釜萢

田家:この歌はいいですねー。力が抜けてて、スウィングしてて。

本城:味がありますよね。

田家:1971年発売かまやつひろしさんとお父様のティーブ釜萢さん、お2人で作られたアルバム『ファーザー&マッドサン』。このアルバムあまり手に入らなくなってますもんね。

本城:そうですね。私は持ってませんので、作ってから50何年振りに聴きました。

田家:あ! そんな感じですか。うわー…… そういう番組だというふうに思っていただけるとうれしいです。お聴きいただいたのはジャズのスタンダードナンバー「Walking My Baby Back Home」でした。で、名盤と言うと、このアルバムの話をしなければならない。1976年1月に発売になった石川セリさんの『ときどき私は・・・』。ソフトロックの名盤中の名盤として、これは時が経てば経つほど、評価が高まってきている1枚だと思ったりするのですが。

本城:石川セリはポニーキャニオンでデビューしたんですけど、その後に先週お話しした樋口康雄と知り合って、彼女の声とか歌のセンスに惚れて。それでフィリップスに移籍させて作った最初のアルバムなんですけどね。新しいボーカルシーンを作れるなと思って。

田家:作家が荒井由実さんとか、下田逸郎さんとか、先週話に出ましたピコこと樋口康雄さん。萩田光雄さん、瀬尾一三さん、佐藤健さん。アレンジャーの方たちが曲を書いたりしていて、作詞家の中には松本隆さんもいます。演奏は松任谷正隆さん、矢野顕子さん、伊藤銀次さん、小原礼さん、後藤次利さん、村上ポン太秀一さんという人たちの中に、シュガー・ベイブもいた。

本城:結果的になんですけど、ちょうどその後活躍する人たちが参加できた。そういう新しい音楽に育ってきつつあった時代の1つの結果でしょうね。このアルバムは。

田家:今名前が挙がったようなミュージシャンの人たちが、それまでの人たちと違うものがあったとしたらどういうものですか?

本城:新しいロックの香りと言いますか。一昔前はどっちかと言うと、ポップスはジャズの香りがした。ジャズメンが作ったポップスみたいな時代があったんです。この時代からビートルズ世代、新しいロック世代の人たちが立ち上がってきたということでしょうね。

田家:さっきのかまやつさんの『ファーザー&マッドサン』のミュージシャンはドラムはつのだ☆ひろさんだったり、ギターが成毛滋さんだったり、ベースが山内テツさんだったり、70年代始めのロック系の若いミュージシャンが集まっていて。石川セリさんにはちょっと違う、はっぴいえんど系の人たちと言うんでしょうかね。

本城:そういうところにアンテナ張ってないと、新しい音楽はできてこない気がしますよね。アレンジャーの起用も含めて。アレンジャーが結局、ミュージシャンを選ぶということも多いですから。新しいアレンジャーを選ぶと、アレンジャーが時代に合ったミュージシャンを連れて来る。

田家:曲によってね。

本城:多かった気がしますね。

田家:それでは1976年1月発売、石川セリさんの『ときどき私は・・・』の1曲目、「朝焼けが消える前に」。

Rolling Stone Japan 編集部

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