GSとカレッジフォークの仕掛け人・本城和治と振り返る、ジャンルを越えた名盤



田家:1976年7月発売、森山良子さんのアルバム『日付のないカレンダー』の中の「DISNEY MORNING」演奏はティン・パン・アレーです。このアルバムのプロデューサーは松本隆さん。彼が全部の曲の作詞を書いている。良子さんにとっては最初で最後のアルバムというふうにご本人も言われていました。

本城:このアルバムを作る前にも松本くんに詞を書いてもらったりしていましたし、ちょうど良子さんと松本くんはほとんど同じ世代で、同じ東京の山手育ち。同じ青春を振り返るシーン、共通なものもあるし、コンセプトアルバムを作るのは絶好のチャンスだなと思って。それで、彼の希望を結構入れて、今まで付き合いがなかった作家を起用したり、そういった新鮮さも出せるしこれはおもしろい企画になるなと思って。

田家:本城さんが選ばれた名曲の中にこのアルバムの中でもう1曲「キングストンの街」という曲があって、それが二人にとっての渋谷が舞台になっているという松本さんと森山良子さんの世代が重なるみたいな曲なのですが。「DISNEY MORNING」にしたのはティン・パン・アレーが演奏だったということと、これは本城さんご自身も参加されているんですよね。

本城:これ、そうなんですよね。細野くんと一緒にカスタネットを叩いて。細野くんに教わって叩きました。

田家:細野さんについてはどう思われますか?

本城:最初はやっぱりすごいベーシストだなと。それと、オリジナルで独特な世界観を持っていて。これらが本当にらしいですよね。

田家:松本さんも細野さんも50周年イヤーを越えて、未だにお2人とも元気なわけですけども。名盤編ということで、そのアーティストにとっての転機になったアルバムをもう1枚ご紹介します。1977年4月発売。大橋純子さんのアルバム『RAINBOW』から、これも作詞が松本隆さんでした。「シンプル・ラブ」。

Rolling Stone Japan 編集部

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