極悪ポルノ男優のレイプ事件、被害者が明かした「おぞましい手口」の数々

行きつけのバー&グリルが犯行の現場

数十年にわたって活動してきた伝説的ポルノ男優のジェレミー被告は、憎めないおやじキャラとしてポルノ業界での地位を確立したあと、メインストリームにも進出し、リアリティ番組『The Surreal Life』などのTV番組や『デトロイト・ロック・シティ』などの映画にカメオ出演した。ローリングストーン誌が2017年に取材したアダルト業界で働く十数名の女性は、ジェレミー被告がポルノ業界の有名人としての地位を利用して、誰からも咎められることなくファンや俳優仲間に痴漢行為や性的暴行をしていたと語った。「公然とセクハラや性的暴行をして、まんまと逃げおおせる人間がいるなんて、よっぽど切羽詰まった状況じゃないと口にできません」。ジェレミーから暴行を受けた人気ポルノ女優のジュリア・アンは、当時ローリングストーン誌にこう語った。

2020年夏にロサンゼルス地方検事局がロン・ジェレミー被告を起訴した後、ローリングストーン誌はやはり被告から暴行を受けたという別の数十人の女性(大半はポルノ業界とは無縁)の主張を報じた。「今になればわかります……彼は低俗な人柄で、裏の裏をかいていたんです」と言う女性は、ワシントン大学在籍中だった2009年にセントルイスで、ジェレミー被告から同意なく指を挿入されたと主張している。「笑いのためにわざと低俗なふりをしているだけで、実際には不適切な行為などできない、とでも言うかのように。ですが、結局はやっぱり加害者だったんです」

地方検事局によれば、ジェレミー被告は常連だったRainbow Bar & Grillという店で犯行を重ねていた。「彼はそこに足しげく通っていたので、従業員も彼をよく知っていました。彼も従業員や店のことを熟知しており、それを利用して性的暴行を働いたのです」とトンプソン検事補。

【写真を見る】ジェレミー被告が利用していた「Rainbow Bar & Grill」

以前ローリングストーン誌がRainbow Barの元従業員のエミリー・J・サリヴァンさんに取材したところ、ジェレミー被告は「お客やウェイトレスを触る」ことで有名だったそうだ。「彼はよく背後から近づいて、首や耳にキスしたりお尻を触ったりという変なことをしていました。本人は“ロン・ジェレミーの愛撫”と呼んでいました」とサリヴァンさん(バーの元マネージャーは2020年、ジェレミー被告は「痴漢魔だが、レイプ犯ではない」と語っている)。

ジェレミー被告の弁護を務めるスチュアート・ゴールドファーブ氏は、コメント取材に応じなかった。8月の大陪審起訴の後、ローリングストーン誌に宛てた声明では「彼の立場は、刑事告発された当時と変わっていません。彼はすべての容疑で無実です」と述べている。

ゆうに1500ページにもおよぶ証言には、そこそこ有名人だったジェレミー被告が知名度を利用して、被害者になりそうな女性を誘惑していた手法が語られている。「彼がセレブだとは言いたくありませんが、でもある意味セレブですよね」。2013年にロサンゼルスのホテルでレイプされたと証言した女性はこう語る。「私は小さな町で生まれ育ちましたが、彼はいわゆるステイタスシンボル、有名人でした」

【動画】逮捕前のジェレミー被告が出演したミュージックビデオ、60代にして水着の美女たちと共演

Translated by Akiko Kato

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