NOISEMAKERが語る、コロナ禍で生まれた分断へのメッセージ、DIYでバンドを続ける意義

アートの意味

―DIYなスタイルでずっとやられてきていて、要は自分たちで作品の責任が持てるわけですよね。逆に言うと、だからこそもっとこうすれば自分たちにとってプラスになるなと考えることはありますか?

HIDE:俺らだけではできないことも絶対あるから、それはチームで動かないなと思っています。それ以上と言うと、時間とお金がほしいっすね。例えば、SNSの画像やポスターがあるじゃないですか。結構自分たちでパパっと作っちゃうんですけど、一般的な流れだとしたら、誰かが作ってメンバーが「もうちょっと色はこうしてほしい」というやり取りが何回かあると思うんです。でも、自分でやると、30分でパパっと終わるんですよね。もし要望があれば、「HIDEさん、もうちょっと宣伝のやつでかくしてください」って言われて、「分かりました」で完結できる。だから、今めっちゃいい環境なので、それ以上に何かを求めるとしたら、やっぱりお金と時間です。制作するにも、30分でできる場合もあるし、1週間かかる場合もある。現場作業で1週間働いたことあるけど、1日2万稼げるから1週間で14万円になりますよね。やっぱり「ちょっとこれTシャツに描いてよ」みたいな連絡が来るんです。「いや、無理」って思うんですけど。友だちだからタダでやってもらおうとしてるんですよね。こっちから言いたいのは「じゃあ、お前焼き肉屋やってるんだったら、タダで食わせろよって言ってるのと同じと思え」と。そういう人とはあまり付き合わないようにしてますね。

AG:アーティストの有名な言葉があるよね。絵を30分で描いたんだけど、値段がすごく高くて、「たった30分で描いた絵がなんでそんな高いんだよ」ってなったときに、「30分じゃない。何十年と30分だ」って言って。それがその人にとっての価値。だから、アートをもうちょっと大事にしてほしいなと思います。俺らは自分たちの頭の中で描いているものをやりたくて、でも環境がないから自分たちでやるしかなかった。そういう意味ではやっと時代がそうなってカチッとハマったのかなって、すごく思ってますね。今、俺はMV監督を1回やってみたいなと思ってます。

HIDE:絶対その映像には参加しないけどね(笑)。

AG:1回も自分が観たいMVになったことがないから、いくら言っても監督のこだわりと予算と時間がない感じになるんですよね。曲に対して考えてる絵があって、テーマも全部あるんだけど、カメラマンと照明はプロに任せて自分で1回やってみたいです。

ーFUTURE FOUNDATIONでも活動中ですが、どういうスタンスでやっていこうと思っていますか?

HIDE:いい意味で適当っすね。最初は結構力が入っていたんですよ。だから、ちょっと肩の力を抜かなきゃいけないなとは思ってますね。3バンドが出す音が重要であって、何ができるかが重要ではないという考えになったから、まるまる俺がギター弾いてないときもあります。DIYでレコーディングするってなっていたから、完全にエンジニアなんです。俺はRECボタンとエンターキーとスペースキーしかほとんど押してない(笑)。エンジニアさんが初日は来たけど遅すぎて、もうやらなくていい、こっちでやるわってなって。



ー自分でやった方が早い?

HIDE:早いですね。例えば「Aメロは4拍をこうしたい」と言ったら、「エンドってここのことですか?」、「ギターのここのフレーズですか?」みたいにエンジニアさんってなりがちなんですよね。それが音楽的な知識とエンジニアの知識が両方あると、全部頭に入ってるから、「じゃあ、ここから録るよ」って指示を出せる

AG:せっかちなんだよね(笑)。

HIDE:自分でした方が、パパパってできてくる。本番のレコーディングじゃないから、最後は綺麗に録ればいいだけの話で。でも、今コロナの時期になって、自分のバンドでやれることがどんどん中止になったりしているので、FUTURE FOUNDATIONみたいなプロジェクトがあると、お客さんもワクワクするのかなと思って、ありがたいです。

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