ネブカドネザル、ヨブ記、黙示録…神学をモチーフにしたアイアン・メイデンの世界観【インタビュー】

40年前のオーディションについて

ー今年の9月、あなたがアイアン・メイデンへの加入オーディションを初めて受けてから40年の節目を迎えます。

「初めて」っていう部分が気になるけど、君の言う通りなんだろうね。

ーネット上の情報によると……、

「ネット上の情報」、またそれだ。こないだ俺の総資産額について書いてあるサイトを目にしたんだけど、スティーヴ・ハリスの4倍の額になっててさ。自分でも知らないうちに、俺ってバンドの曲の大半を書いてたらしいぞって感じだよ。大抵はガセネタだけど、年代や日付については合ってるものも多いんだよな。だから多分40年経ったってことなんだろうね。



ーそのオーディションについて、覚えていることはありますか?

オーディションは2回受けたんだ。1回目の場所は単なるリハーサルルームだった。4曲覚えてくれっていわれたんだけど、アルバム2枚しか出してないんだし、どうせなら全部覚えてやろうと思った。結局バンドの曲をたくさんやったんだけど、他にもシン・リジィやディープ・パープルの古い曲のカバーもやった。その後バンドは、前のシンガーのポール(・ディアノ)と一緒にスウェーデンでのツアーに出た。俺とのセッションがすごくいい感じだっただけに、やりにくいだろうなって思ってたよ。そしたら案の定、ツアーから戻ってきた彼らにこう言われたんだ。「前のヴォーカルはクビにした。君の実力を改めて確かめたいから、今度はレコーディングスタジオでオーディションさせてくれ」。それで現場に出向くと、今は亡き偉大なマーティン・バーチ(プロデューサー)がいた。スタジオで俺は、メンバーが日本で一発録りした4曲のオケ音源に合わせて歌った。評価は文句なしで、俺はその日のうちにバンドに加入することが決まった。その後はどっかのシアターでやってたUFOのコンサートに行って、メンバー全員で浴びるほどビールを飲んだ。その後のことは知っての通りさ。加入した翌日から今まで、ずっと全力疾走さ。

ーそして今のあなたがあるわけですね。

そうだ、まだ生き永らえてる。

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from Rolling Stone US

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Translated by Masaaki Yoshida

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