泉谷しげるデビュー50周年、エレックからフォーライフへの変遷を本人と振り返る

電光石火に銀の靴 / 泉谷しげる

田家:77年6月発売アルバム『光石の巨人』の1曲目「電光石火に銀の靴」。すごいですね。1年後にこれになっちゃったんですか(笑)。『家族』から。

泉谷:すみません(笑)。SFなんですね。ポップアートでもあり。この頃からSF映画も出てきて、テクノの走りみたいなものも出てくるんです。それで、単純に流行に乗っちゃえみたいな。本当にエンターテインメントの自覚がようやくできてきて。これからもいろいろな歌を歌っていくんだけど、エンターテインメントはこういう馬鹿みたいなことも、政治をやっつけることも全部できるわけじゃないですか。思想を言うのではなく、エンターテインメントに入れれば、国家の首相だって馬鹿にしてもいいし、恋愛をやったっていいわけじゃない? このすごさに目覚めちゃったみたいな。

田家:もうピカピカのラメをまとって。サーチライトがついているヘルメット姿で跳んだり跳ねたり。いやーもう野音で見てひっくり返りましたからね(笑)。

泉谷:まあ、だからお調子に乗ってるだけです、はい。だけど、「電光石火に銀の靴」っていうタイトルが好きで(笑)。

田家:光が見えますもんね(笑)。

泉谷:そうそう(笑)。SFであり、漫画なんですよ。ちょうどSF映画のもととなる素晴らしいのが現れた頃で、インパクト、ただの漫画を超えちゃっている。だから、後々『スター・ウォーズ』とか、『ブレードランナー』、『エイリアン』とか向こうで、発売した『ヘビーメタル』という紙媒体の影響ですよね。

田家:こういう音楽をやっている人たちは日本にはいないだろうなという感じがあったんでしょうね。俺にしかできねえだろうみたいな気負い方はあったんですか?

泉谷:どうですかねー。自分の中では絵を描いているのと一緒なので、ボディペインティングですよね。

田家:ボディペインティングみたいなライブだったんだ。

泉谷:ポップの形を作りたかった。ポップアートですよね。

田家:ポップアートをライブでやりたかった、衝撃のアルバムから、もう1曲お聴きいただきます。「旅立て女房」。

泉谷:だはははは……。

Rolling Stone Japan 編集部

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