リンゴ・スターは81歳で絶好調 最新EPにビートルズ時代、ビリー・アイリッシュまで語る

『レット・イット・ビー』の舞台裏

ー生まれ変わった『レット・イット・ビー』を聴くと、みんなが一緒に楽しんでいた雰囲気が伝わります。

リンゴ:楽しいこともたくさんあった。今年の感謝祭(編注:11月25日〜27日)には、リマスター版のドキュメンタリー『ザ・ビートルズ:Get Back』が公開される。6時間の超大作で、楽しい場面や笑いが満載だ。オリジナル(ドキュメンタリー『レット・イット・ビー』)に楽しい場面や笑いが一切なかったのは残念だ。だがあの時、俺たちは屋上に上って、1枚のアルバムを仕上げた。日がなふざけてたわけじゃないんだ。



ー(映画では)あなたのドラムに背中を押されて、ボーカル2人が物語を語っているように聞こえます。

リンゴ:現場でも実際にそうだった。俺も同じブースにいたから、2人にはいつもドラムが聞こえていた――まあ、ほとんど部屋の反対側にいたけど、少しずつ距離を縮めていったんだ。年月が経つにつれ、その距離もどんどん短くなっていった。ジョージ・マーティンですら、(ブースを)分けるべきだと思い込んでいたからね。俺たちも、多少の多重録音には反対しなかった。俺が好きな曲は、あのレコードじゃなく、ホワイトアルバムに収録されている「ヤー・ブルース」だ。あの曲では俺もブースにいた――8×8フィートぐらいだったかな。全員揃って、アンプやらなにやら全部入れて、ジョンが歌った。「ワオ、クラブ時代に戻ったみたいだ」と思った。それだけすごかったんだ、互いのエネルギーがびしびし感じられたからね。だからそう、リマスター版は俺にとってもすごく嬉しかった。

ー友情と音楽、そしてともに歩んだ軌跡へのトリビュートですね。

リンゴ:俺もあのバンドが大好きだ。あの3人と一緒にやれたのはとにかく鳥肌ものだった。あらゆる要素がそろっていた。いくつもの声を持つ男にして最高のベースプレイヤー、ポール。それにジョン。(レノンの声を真似て)「レッツゴー!」 ジョージはギターでメロディを奏でる。ジョージの演奏は、楽曲と同じくらい重要なものばかりだ。(ハリソン風のギターを口真似して)彼がどんな演奏をしても「ああ、あの曲だな」とわかる――ジョージの演奏で曲名がわかるんだ。すごかった。俺たちは本当によくやったと思うよ。

From Rolling Stone US.




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Translated by Akiko Kato

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