「泉谷しげるデビュー50周年」本人と振り返る、ワーナーとビクター時代



田家:FM COCOLO「J-POP LEGEND FORUM 泉谷しげる 50周年 俺をレジェンドと呼ぶな」今週はパート3、ワーナー、ビクター編でありました。今年がデビュー50周年の泉谷しげるさんをお迎えしての4週間。流れているのはこの番組の後テーマ、竹内まりやさんの「静かな伝説」です。

さっき話に出ていた『戦後最大の誘拐・吉展ちゃん事件』というドラマは79年の6月30日に放送されたんですね。なんで覚えているかと言うと、甲斐バンドの『HERO』が出た後のツアーの前半戦の最終日だったんですよ。その日はベース・長岡さんの最後の日でもあったのですが、甲斐さんがずっと「今日、泉谷が小原保をやるんだ」と何度も言っていたというのが、印象に残ってますね。たしかに衝撃的なドラマでありました。犯人役をなかなかやる人がいなくて、泉谷さんに白羽の矢が立った。向田邦子さんが泉谷さんのところに話を持っていった、推薦したというのは今回あらためて知りました。

70年代、80年代は同じ10年間でありながら全然違う変わり方をしているんですね。80年代の始めは日本がバブルになっていく軽薄短小の時代で、シリアスなことが滑稽に思われていた時代でおしゃれであればいい、軽ければいい、楽しければいいみたいな時代だった。泉谷さんはその時代に音楽から、俳優とアートという違う道に自分の可能性を見つけていって、それを見つけてくれた人がいて、花を咲かせていったわけです。音楽だけでは表現できなかったこと、泉谷さんの音楽だけでは見えなかった可能性がいろいろな形で浮き彫りになっていった時代でもありました。そういう時代を経て、また音楽に戻ってきて、LOSERという史上屈指の実力派バンドをバックにまた音楽に戻ってくるわけですね。LOSERは今聴いても、スリリングなバンドです。ストーンズが憧れだったロック少年の到達点みたいなものでしょうね。で、90年代再び路上に。それが今に繋がっております。来週は阿蘇ロックの今。そして、阿蘇ロックの未発表音源というのもお聴きいただこうと思います。



<INFORMATION>

田家秀樹
1946年、千葉県船橋市生まれ。中央大法学部政治学科卒。1969年、タウン誌のはしりとなった「新宿プレイマップ」創刊編集者を皮切りに、「セイ!ヤング」などの放送作家、若者雑誌編集長を経て音楽評論家、ノンフィクション作家、放送作家、音楽番組パーソリナリテイとして活躍中。
https://takehideki.jimdo.com
https://takehideki.exblog.jp

「J-POP LEGEND FORUM」
月 21:00-22:00
音楽評論家・田家秀樹が日本の音楽の礎となったアーティストに毎月1組ずつスポットを当て、本人や当時の関係者から深く掘り下げた話を引き出す1時間。
https://cocolo.jp/service/homepage/index/1210

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Rolling Stone Japan 編集部

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