LOW IQ 01の青春時代「音楽人生の中で一番熱い1992年」

ー他、ドラマで記憶に残っている作品はありますか?

92年だと、『北の国から 92巣立ち』でしょ。ここからおかしくなってくるんですよ。五郎さんの演技がもう、やばい。情けなさに拍車をかけてくるというか、すげーいいんだよね。裕木奈江のかぼちゃの回。観てると結構きついんだけど。純と五郎さんが裕木奈江の家に行く前に定食屋にいて、「謝っちゃおうよ」ってずっと話し合っているんだけど、今考えると、恋人を妊娠させちゃって、謝って済む問題じゃない。かぼちゃを渡して、それが正義かよって感じになるよね。その時に長渕剛の曲がかかっていて、「この曲なんだ?」みたいな感じで五郎さんが訊いて、純が「長渕剛の歌」って教えるんだけど、富良野に帰ったら〈やるなら今しかねえ♪〉って五郎さんが歌う。その演技が大好きで、ひっくり返って笑った覚えがある。

ー裕木奈江のお父さん役は菅原文太さんですよね。

菅原さんの「誠意ってなんだね」は名セリフです。「お宅にも娘さんいるんでしょ?」って、痛いところ突かれたなってやつ。他には俺、この時に宮沢りえの大ファンだったんだけど、宮沢りえも『東京エレベーターガール』っていうドラマをやってて、すごい好きで観てたな。赤井英和が、宮沢りえの好きな相手役という、なかなか無理のある設定なんだけどね。ドラマの記憶はこんなものかな。あとはバラエティ。ダウンタウンを1番観てた時だと思う。ゴールデンで『生生生生ダウンタウン』が始まった。『とんねるずの生でダラダラいかせて!!』と同じ日で、1時間違うんだけど。『生生生生ダウンタウン』がTBSで8時からで。『生だら』が1年前ぐらいに始まって、日テレなんだよね。両方とも結構おもしろかった。『生生生生ダウンタウン』は生でいろいろドタバタしてた気がする。生放送内で賞金をとりに行く感じなのかな。東野幸治とか今田耕司とか出てたんだよね。東京で『ダウンタウンのごっつええ感じ』のメンバーが出てて、すごいドタバタしてたイメージがある。番組の始まる前に30秒ぐらいのコメントコーナーがあって、まっちゃんが「生生生生とんねるず」って言ってたのをすごい覚えてるな。それぐらいから共演は全然なかったと思う。ダウンタウンが完璧に大阪から、東京の番組を成功させたんだよね。

ーダウンタウンはこの時期『笑っていいとも!』にも出てましたよね。

火曜日に出てた。『いいとも!』はダウンタウンから辞めたんだよね。あまりやりたくなくなっちゃったみたいなことが、まっちゃんの本に書いてあったような気がする。あとは『電波少年』。高校生とかが1番笑える世代だよね。バラエティはこの頃、結構めちゃくちゃなことやってたよね。今じゃ絶対できない。

ー最後にまとめると1992年はイチさんにとってどんな年でしょうか?

10代の頃の音楽が好きとはまた違う好きで、なんか熱い92年だった。ストリートミュージックがすごく熱かったし、今の市川昌之の入口じゃないかな。ストリートミュージックが一部の人たちにしか知られてなかったけど、自分の音楽の始まりという感じがする。とにかく熱かった。今でも、「音楽人生で1番やったるぞ!」って思った年だね。前に話した音楽、ミュージシャンになる決意とまた違う、もうちょっと強い意思があった。今もストリートミュージックへの熱い気持ちは続いていて、そのスタートの年ですね。

Rolling Stone Japan 編集部

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