This is R. Murray Schafer’s score for ’Divan i Shams i Tabriz’, for orchestra, seven singers and electronic sounds! pic.twitter.com/e7aTR2lNlY
— Musical Notation is Beautiful (@NotationIsGreat) August 8, 2019
レーモンド・マリー・シェーファーが手がけた図形楽譜。彼はカナダを代表する現代音楽の作曲家で、「サウンドスケープ」の提唱者として知られる。2021年8月14日、アルツハイマー病の合併症により88歳で死去。
―全8曲のうち「Love Proceeding」などの4曲で、アルトゥール・ヴェロカイがストリングス・アレンジを手掛けています。彼がアレンジを手掛ける前提で作曲や演奏を行った曲もあったりするのでしょうか?
チェスター:実は、ストリングスを入れるということは事前に決まっていなかったし、アルトゥールと一緒に仕事ができるか、作曲の段階ではまだわかっていなかったんだ。レコーディングをして何カ月か経った後にアルトゥールと連絡を取って、アルバムへの参加を快諾してもらえた。しかも、彼から最初に戻ってきたバージョンが、そっくりそのままアルバムに収録されている。だからとても上手くいったと言えるね。
―では、リクエストもしていないということですか?
チェスター:僕たちからは何のディレクションもしなかったよ。
リーランド:曲に何かしらのアレンジを加えることは想定していたけど、管楽器を入れるかもしれないと思っていたくらいで、それがストリングスになるとは特に考えてなかった。僕たちはそもそもアレンジに関しては、アルトゥールの仕事をずっと参考にしてきたんだ。だから僕たちが作った楽曲に、彼のアレンジが自然にフィットしたんだと思う。
アルトゥール・ヴェロカイが作曲/編曲/プロデュースに携わった楽曲のプレイリスト。近年ではハイエイタス・カイヨーテ、クァンティック、Jameszooなど。
―かなり即興の要素があって、ジャズ要素も多めのアルバムだと思いますが、そういったサウンドと弦のアレンジを組み合わせる際にインスピレーションになった作品はありますか?
チェスター:ストリングスと即興ジャズの組み合わせはあまり多くないかもしれないけれど、実際にその組み合わせを聴いてみると、とてもクールな音なんだ。ピアニストのスティーヴ・キューンが70年代に出したアルバムで(実際は1967年)、ゲイリー・マクファーランドがアレンジを手掛けている『The October Suite』という作品があるんだけど、あのアルバムはすごく良いね。今回のサウンドの直接的な影響になった一枚だと思う。
Translated by Emi Aoki