チャイルドシートで拉致、性的人身売買業者「陰謀論」の動画が拡散されるまで

全米人身売買ホットラインには電話が殺到

ウィルクスボロ警察のフォローアップ投稿で動画の背景を知った一部の人々は、パーカーさんのアカウントに動画の削除を求めるコメントをした。TikTokで人身売買にまつわる誤情報を暴いているTikTokクリエイター、@BloodBathBeyondことジェシカ・ディーンさんもこれに加わった。「なぜ社会は、ワイリー・E・コヨーテがロードランナーを捕まえるのと同じやり方で人身売買が行われていると賛同するのでしょう? 私にはまったく理解できませんが、実際の人身売買はまったく違います」と、ディーンさんは動画で語った(この暴露動画の閲覧回数はたったの2万回。パーカーさんのTikTok動画と比べるとはるかに少ない)。

Polarisが運営する全米人身売買ホットラインでディレクターを務めるミーガン・カッター氏の話では、ホットラインにはこの24時間だけで、パーカーさんの動画に基づいた「かなりの数の」タレコミ電話が寄せられているという。「皆さん電話をかけてきて、TikTok動画と同じことを繰り返すんです。投稿でそうしろと要請しているんですから、当然ですね」と彼女は言う。「問題にもなりかねません。我々は助けを求める犠牲者ではなく、こうした電話に対処するために時間と人員を割き続けているのですから」。カッター氏いわく、人身売買業者が被害者をさらう目的でチャイルドシートを置く、というのは「我々が把握しているパターン、あるいは犠牲者から聞いたパターンとも一致しません」

こうしたフィードバックに対し、パーカーさんはあくまでも主張を貫いているようだ。ローリングストーン誌に語ったところは、ウィルクスボロ警察が投稿したことは知っているものの、「でもやっぱり、社会では何か起きているような気がします。私の投稿があんなに拡散したってことは、同じように感じている人が大勢いるんだと思いますよ。他にもFacebookやTikTokにはおかしな行動を収めた動画や写真がたくさん投稿されています。信じているのは私だけじゃありません」。彼女は問題の投稿をこのままアップして、周囲に「目を光らせる」ようメッセージを発信するつもりだ、と言った。「この問題について黙っているべきだ、と皆さんに感じてほしくないんです」(現在動画は既に削除されている)

Translated by Akiko Kato

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