松本隆が描いたエロティシズム、80年代後半から90年代前半までを辿る



1983年11月発売。ラッツ&スターのデビューアルバム『SOUL VACATION』からの先行シングル「Tシャツに口紅」。この曲好きなんですよ。大滝さんの曲の中でも、屈指の好きな曲ですね。大滝、松本コンビ。ラッツ&スターの『SOUL VACATION』。シャネルズがラッツ&スターに名前が変わって、最初のアルバムですね。プロデューサーが大滝詠一さんでした。『A LONG VACATION』と『SOUL VACATION』。兄弟アルバムみたいなものですね。シャネルズをいち早く評価したのは大滝さんでした。ナイアガラ・レーベルの大滝さんのアルバム『LET’S ONDO AGAIN』にはマーチンさんたちは編名で参加しております。

たゆたうような大滝メロディと言いましょうか。松本さんのシンプルな言葉、そんなに言葉を費やしてないんですけど、ドラマもストーリーも見えますね。〈泣かない君が泣けない俺を見つめる〉んですよ。この2人がどういう状況か、この中に全部歌いこまれている。2人が長く付き合ってきて、別れの情景なんだけど、彼女は泣かない、俺は泣けない。君が俺を叩く時にかもめが羽ばたくんですよ。歌を聴いているだけで、情景が浮かびますからね。動画のような歌。名曲だなと思いながらあらためて聴いておりました。1983年11月発売、ラッツ&スター『SOUL VACATION』から「Tシャツに口紅」でした。

Rolling Stone Japan 編集部

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