筋肉少女帯が語る、自分たちが描いてきた世界になってしまった戸惑いと使命感

―前作『LOVE』を作った後、次のアルバムはこうしようという構想ってあったんですか? コロナ禍に影響されて変わったことなどあるのかなと思ったのですが。

大槻:『LOVE』のときは、まだないよね?

橘高:前作まで3年連続でオリジナルアルバムを出してきて、再結成以降はオリジナルスタジオアルバム以外にも、セルフカバーアルバム、新録入りのベストとか毎年リリースしていたんです。2019年に前作のツアーファイナルを迎えたときに、リフレッシュも兼ねて来年は1年間空けて、それぞれが筋少以外の活動をしながら、また筋少にフィードバックできるようという話をしていました。

大槻:筋肉少女帯は、長くやっているので本当に曲数が多いんです。その中で1ツアーぐらいしか演奏できていない曲もあって、良い意味で楽曲がインフレを起こしている(笑)。ここらでそういう曲をできるようにいったん空けようという話をしていたら、コロナ禍になったんです。

―そうなると、アルバムの制作自体はいつ頃から始まっているのでしょうか。

橘高:構想という意味では、「再来年出す」というところから始まっています。パンデミックが起きた期間も含めて、その間にそれぞれが次の筋肉少女帯でスタジオに集うときまでみんなが温めておいた曲を出してきて、今年5月からスタジオワークに取り掛かりました。

―そこで生まれたコンセプトが、「一本の映画との出会いや衝撃を与えたいと思いながら11の筋少の物語を楽曲に練り上げた」という……。

大槻:いや、そういうふうに資料に書いてあると思うんですが、大概そういうのって、「何かコメントしてください」って突然頼まれて言ってるんです(笑)

一同:(笑)

大槻:アルバムの歌詞、世界観のコンセプトというのは、大概できあがってからまとまるので、作ってる段階で見えてくる。現時点で言うと、リスナーが聴いて何かそれによって記憶の糸を手繰り寄せて、各自の抱いている物語を映画のように脳裏に映像として映し出しれてくれたらいいなという、11の物語が揃っています。

Rolling Stone Japan 編集部

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