NFTアート作品がAIパートナーになる日も近い?

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NFTアートとは、使用権をそのアート自体が保持する単なるデータに過ぎない。Aikoプロジェクトの場合、今後公開される予定のアプリ「Aiko Master」にアクセスするために必要な所有権の証明書として機能するものとなる。

現在所有することができるAikoには、友人、モチベーションを起こさせるガイド、ガールフレンドの3タイプがある。友人となるAikoは「どんな状況でも自分の隣にいてくれ」、「成功を分かち合い」、「人生のどん底でも気にかけてくれる」とされる。一方でガイドとなるAikoは、人生のコーチやセラピストとして振る舞うとされているが、開発チームがメンタルヘルスのプロに監修を依頼しているかは定かではない。

そして最後に ガールフレンドとして機能するAikoだ。このAikoに搭載されるAIは公式サイトによると、「レディット上の投稿、エロ小説や、NSFWのデジタル素材を参考に」開発されているという。要するに、SiriやAlexaのような音声のみのAIパートナーに、エロ漫画風のイラストを加えたAIガールフレンドだと言える。 ガールフレンドAikoは、男性の欲望や恐怖などについて、あるいは、ただその日にした事を一緒に話し合うことを望んでおり、彼女にとってタブーとなる話題は存在しないようだ。公式サイトにはさらに、Aikoの「性格」は「日毎に成長し向上していく」と書かれている。ローリングストーン誌から開発チームに何度もコンタクトを試みたが、連絡はつかなかった。

エロ要素を含むNFTは真新しいものではない。こうしたコンテンツの販売に専念するNafthArtやXXXNiftyといったマーケットプレイスがすでに存在している。そこで今回Aikoプロジェクトの問題となるのはこうしたコンテンツの性質ではなく、AIパートナーがそのユーザーをさらに孤立させる可能性があるということだ。性的不品行の専門家であるジェームズ・フォーリー氏は、性的な要素を含むAIのパートナーが出現することで、それに依存する人々の活力を削ぐような事態になりかねないと警鐘を鳴らす。彼は、このようなアプリを四六時中使用することで孤独感が強調され、現実世界でのあらゆる体験の質が下がる可能性があると語る。

さらにフォーリー氏は、こうしたアプリが「理想の女性はすぐにアクセスでき、使い、片付けることができるという歪んだ考えを植え付けてしまう可能性がある」、「インセル的活動の多くは孤独感や社会からの排除に原因がある」とも語る。こうした問題の一部としてsexがあるが、彼が語るより重大な問題は「エコーチェンバー現象」である。各種SNSやネット掲示板上で、同じ趣味や思想の人とばかり繋がることにより、同じような思想のみを見聞きし続け、自分の意見が強固になってしまうことを指す。

Aikoの公式サイトには「あなたの個性を反映することで、あなたとのつながりを築き」、「孤独を感じたくない」「人生の空白を埋めたい」と考える人々のために設計されていると書かれている。フォーリー氏は「現実世界のパートナーは、自身の個性を反映させるものではない。パートナーがあなたの好みにただ従うのではなく、あなた自身をパートナーに順応させることを学ぶ必要がある。現実世界からの分離を促すものが商業化されることにより、こうした傾向は悪化してしまう。これが性的不品行の原因ともなる」と語る。また彼は、公式サイト上にAIの開発にあたりセックスセラピストの監修を受けたかについての言及がないことに加え、そもそも開発チームに女性が存在したのかどうか疑問を呈している。

Translated by Kazuhiro Ouchi

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