甲田まひるが語る、「好きなことを貫く」ためのSNSと音楽の在り方

「まずはピアノで自由につくる」

—歌詞は最初に英語で書くとのことですが、言葉はリズムとして捉えることの方が多いんでしょうか?

甲田:言葉も好きなので歌詞自体はよく書くんですけど、昔から洋楽の方が聴いてきたし、ジャズでソロを録るときとかにリズムを重視する影響もあって、言葉よりは優先的にリズムがきます。英語とか、意味の通ってない宇宙語とかで先にフローを入れて、あとから日本語を当てはめることが割と多いですね。でも日本語から考えるときもあります。この曲は最初から、テンション感も含めて洋楽を意識していたので、最初に英語で歌いながら作っていった部分が多いです。



—「California」では、ロックやポップス、HIP HOP、一曲の中にいろんな要素がある中で、曲の展開にもすごく意外性があって、ストーリー性のあるクラシックを聴いているようでもありました。そういうジャンルレスで自由な部分は、甲田さんならではだなと思って。

甲田:今までずっとジャズをやってきた中で、楽典とか、音楽の勉強をしてきたので、こういうサウンドにしたいなと思ったら、まずはピアノでそれを自由につくるってことを昔からやってきたんですね。ラップしたいな、と思ったらラップっぽいビートをつくるとか、思ったことを全部好きにやるスタイルは今回結構表れてるなと思います。構成に関しては普段K-POPも聴くので、テーマがあって、ラップがきて、みたいなのは、K-POPの構成を意識している部分もあります。その中で何か違うことができないかなってことで、サビにロック調のものを入れてみたり、実験的に色々やってみてますね。どういう反応が来るかなぁっていうのは、全然わかってないです(笑)。

—めちゃくちゃかっこよかったですよ!

甲田:本当ですか?  聴きづらくないですか?

—いやいや、キャッチーだし耳に残るんですけど、新鮮で楽しかった。

甲田:よかったぁ〜(笑)。

—3分50秒って短いんだけど、変化があるので聴き応えがありました。

甲田:同年代の子とか今、いい意味でも悪い意味でも、切り取って聴くことが多いじゃないですか。イントロが長いと飽きちゃうとか、最後まで聴かない人ってたくさんいると思うし、キャッチーさとかパンチがないと私も飽きちゃうので、自分としても飽きない曲がつくりたいなって思いがあったんです。気持ちが他にいかない音づくりとか展開は意識していて、それこそイントロから曲の入りの短さとかも意識しました。

—自分のこだわりもある一方で、リスナーが聴いてどう思うかも考える。そのバランスはどうやってとっているんでしょうか。

甲田:割と自分が聴いてるときの感覚で、こうだったらいいかな、とか、ここでラップがきた方が楽しいかな、ってつくります。自分のつくりたいものと、みんながどういう音楽を聴きたいかなってことは考えてるんですけど、最終的には自分の感覚に落ち着くことが多いですね。ってなったときに、ずっと面白いことが起きる曲の方が好きだったっていう、単純にそういう理由ですね。

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