ビートルズ「Let It Be」の心地よいグルーヴ、鳥居真道が徹底考察

「やはりどちらも東芝のレコードです」

ファンクやソウルのリズムを取り入れたビートに、等身大で耳に引っかかる歌詞を載せて歌う4人組ロックバンド、トリプルファイヤーの音楽ブレインであるギタリスト・鳥居真道による連載「モヤモヤリズム考 − パンツの中の蟻を探して」。第29回はロックンロールにおけるリズムパターン、ハーフタイムシャッフルのグルーヴを考察する。

おぎやはぎの矢作兼とアイクぬわらのYouTubeチャンネル『矢作とアイクの英会話』をよく観ています。ある動画で、視聴者から寄せられた「英語の勉強になるような音楽はありますか?」という質問に対しアイクが、ビートルズとカーペンターズと答えていました。なぜか。ゆっくりと歌われるから歌詞が聞き取りやすいからだそうです。これは昔からよく言われていることです。実際、私が中高生の頃に受けた英語の授業でもビートルズやカーペンターズの曲が頻繁に取り上げられていました。たとえば、ビートルズであれば「Ob-La-Di,Ob-La-Da」「Hello Goodbye」「Hey Jude」「Let It Be」、カーペンターズであれば「Top Of TheWorld」「Yesterday Once More」を歌った記憶があります。

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ビートルズの音楽は日本のテレビ番組やCMで使われることも多く、物心がつく前からそれとは知らずによく耳にしていました。中学生になってロックという文化に興味をもつようになり、モノの本など読んでいるうちに、どうもビートルズは偉大らしいことを知りました。ちょうどその頃、『1』というベスト盤がリリースされるようだったので楽しみ待っていました。遂にビートルズの偉大さに触れられるぞと鼻息を荒くして聴いてみたものの、あまりピンと来ませんでした。その偉大さを実感するようになったのは、気を取り直して各アルバムを一枚一枚聴くようになってからのことです。お茶の間的なビートルズ像を上書きするような役割を『1』は担っていなかったとのだと今にして思います。しかし今改めて『1』を聴くとやはりビートルズは偉大だなと思わざるを得ません。

Rolling Stone Japan 編集部

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