ビートルズ「Let It Be」の心地よいグルーヴ、鳥居真道が徹底考察

「やはりどちらも東芝のレコードです」



先日、ビートルズの『Let It Be』50周年記念盤がリリースされました。新たなミックスや、「ゲット・バック・セッションズ」のリハーサル音源、お蔵入りとなっていたグリン・ジョンズ・ミックスなどが収録されています。『Let It Be』が発表されたのは1970年5月のこと。諸般の事情により実際の50周年には間に合わず、1年半程度遅れてしまった模様です。



『Let It Be』のタイトル曲である「Let It Be」は学校の授業やテレビを通じて受動的に聴きすぎたために、私の中ではもはや好きとか嫌いとかを超えた地平に存在しています。イントロのピアノやサビでのタイトルの連呼など、かなりキャッチーではありますが、テイストとしてわりと渋めの曲です。とはいえ名曲としての風格は疑いようがありません。「なすがまま」というタイトルには人生の教訓が含まれており、座右の銘にする人も少なくないでしょう。

「Let It Be」に関する好き嫌いは判断がつかないものの、この曲のグルーヴは大好物です。いうなれば「マイルドなハーフタイムシャッフル」のことです。ドラムのパターンだけ取り出せば、オーソドックスな8ビートですが、アンサンブル全体を支えているのはハーフタイムシャッフル的なグルーヴに他なりません。このグルーブはイントロのピアノで暗示されています。譜面に起こした場合、それぞれのコードは4分音符で示されるのでしょうが、符点8分音符といったほうがより正確かと思われます。そして、若干ハネているため、実際の音価は付点8分音符よりさらに長くなります。



ハーフタイムシャッフルというグルーヴを一般化したのはバーナード・パーディに他なりません。彼は自らの名前を冠して「パーディ・シャッフル」と呼んでいます。スティーリー・ダンの「Home At Last」(1977)でお馴染みのグルーヴです。ところでパーディはヴルフペックの面々とビートルズの「Something」をカバーしていますが、ここでもパーディ・シャッフルが披露されています。もし仮にこれが「Let It Be」だったとしてもパーディ・シャッフルでカバーするのではないかと睨んでいます。

Rolling Stone Japan 編集部

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