flumpoolが語る、バンド人生の「ネクスト」とは?

「転ぶことを恐れてしまう自分たちがいた」(山村)

―ぶっちゃけ前は不自由だったんですか? だから独立しようと思ったとか。

山村:いや、まったくそんなことはないです。逆です。贅沢だったんです。

―贅沢? 満たされすぎてたと?

尼川:そうですね。温室すぎた。

山村:全然不自由じゃなかったし、アミューズにいたからこそ自分たちの夢を叶える上での最短ルートを常に教えてもらえたと思ってます。高速道路みたいなもので、武道館も一年目でやらせてもらえましたし、一気に目的地まで行けるんです。自分たちの実力以上の場所で戦わせてくれたし、目的地に行く最短ルートを示してくれて、本当に感謝しています。ただ、それだと失敗から学ぶことがないというか、失敗に対して転ばぬ先の杖じゃないですけど、自分自身が転ばないことに慣れすぎていて、転ぶことを恐れてしまう自分たちがいたので。そもそも大学まで進学したのに、音楽で道を踏み外したというか、人生を狂わされたというか、そういう生き方に惹かれていた身としては、このまま進んでいいのかなっていうのは、どこかにあったんですよね。すごく贅沢な悩みなんですけど。

―むしろ普通は最短で行きたくなりますよね。

山村:そうですね。武道館でやるとか大きな夢を音楽で成し遂げたいっていうのはもちろんあったんです。でもそういうものだけが自分を突き動かしてきたんじゃないとは思ってて。このメンバーとバンドじゃなくて友達として会える時間の方が、自分にとって人生の中で価値があると感じた時があって。音楽をやっているときだけ友達でいられる時間が守られるからバンドをやってるのかなって思えた時に、音楽をやる以前のフラットな状態に戻るには、もう一回4人の足で踏み出す方がその目的を果たすにはいいのかなと思えたんです。

―音楽以外のことでもメンバーとより深い絆を持ちたかった?

山村:そうですね。それも僕だからかもしれないです。仲間が大事って言うけど、僕自身別に友達がいっぱいいるわけでもないし、周りにいる全員を信じてるわけでもないんです。むしろその逆で、信頼できる人って本当に少ない。だからこそそこに依存しちゃうっていうか、不器用なのかもしれないですけど、そこに懸ける想いみたいなものを大事にしたいんかなって。

―元気さんは話し合いの途中である程度独立に納得したって言ってましたが、そのポイントは?

尼川:人生をちゃんとまっとうしたいみたいな感じがあって納得しましたね。今この土台を踏み締められるうちに、もし何も無くなっても歩けるようにしとかんと、人生を最後まっとうできないなって。それぞれ家族ができて第二ステージでもあるんで、余計そういうのを考えたりもしたし。ちゃんと地に足着きたいと思っていたのもありますね。

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