THE ORAL CIGARETTESが語る「回帰」の真意

THE ORAL CIGARETTES

THE ORAL CIGARETTESがデジタルシングル「MACHINEGUN」をリリースした。昨年4月に発表した、様々なジャンルを飲み込んだ傑作アルバム『SUCK MY WORLD』以降、彼らの音楽はより幅広い音を鳴らしていくのかと思いきや、今年6月に発表したデジタルシングル「Red Criminal」も含め、彼らはド直球なロックサウンドへと回帰した。

【写真】THE ORAL CIGARETTES 撮り下ろし

「MACHINEGUN」では少しのスキも見せず、いま自分たちが鳴らすべき密度の高いロックを詰め込んだ。テンションが高く前のめりではあるが、初期衝動的なアプローチではない。いまの4人だからこそ鳴らせる骨太なアンサンブルで新たな一歩を踏み出したのである。

しかし、このストレートなロックへの回帰はその言葉が意味するほど単純なものではない。今回、4人がこの音へたどり着くまでの過程を追求し、この約1年の間に彼らの胸に去来した思いや、新たに固めた決意に迫った。そこには自分たちのことだけでなく、ロックやロックシーン全体にまで意識を広げた彼らの人間的な成長があったのだった。



―2021年に入って少しずつライブの感覚を取り戻しているところかと思います。自分自身の現状を話していただけますか。

山中拓也(Vo, Gt) 俺はコロナ禍でけっこういろんな挑戦……他ジャンルとの交流だったり、音楽制作をすることができたので、オーラルに戻ったときに「ロックバンドをやらなければ」という使命感を感じたし、ロックバンドのカッコよさを再認識できたので、今はそこにフォーカスを当てていこうというテンション感ですね。

―それはSKY-HIさんとの共演のことですか?

山中 それもそうなんですけどほかにも世に出ていないものがあって、トラックメーカーだったり、ラッパーだったり、いろんなところでしっかり曲をつくっているので、これから先のオーラルの動きとしてもちょくちょく出てくると思います。その成果として、ロックバンドがほかのジャンルに混ざってロックを鳴らすということに旨味を感じられていますね。

―鈴木さんはどうですか?

鈴木重伸(Gt) 近々の話で言うと、もうすぐツアーが始まるのでそれに向けての準備が始まっていることもあって圧倒的にギターに触れる時間が増えましたね。今まで触れてこなかったジャンルのフレーズを勉強していくことでバンドに還元できることがあるんだなと思っています。

―具体的にはどのへんのジャンルですか?

鈴木 ブルースとか、1音鳴らすだけでも、ビブラートのかけ方とか音の止め方で弾いてる人の表情が見えたりして参考になりますね。

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