The fin.が語る 30歳の今、やりたいことをピュアにやり続けられる理由

The fin.:左からKaoru Nakazawa(Ba)、Yuto Uchino(Vo,Gu,Synth)(Photo by Yoshiaki Miura)



ある種「チャージ」できたような感覚がある

─ずっとロンドンで暮らしていたYutoさんは、コロナ禍になってからの日本やイギリスの状況をどんなふうに見ていましたか?

Yuto:コロナになってすぐは、「ロンドンにいなくて本当によかった」と思いましたね。とにかくロックダウンはキツかったみたいだし、くらってしまった現地の友人も多かったですし。そこから1年くらい経ってみて、今ワクチン摂取が進むなどいろいろ状況が変わってきていますが、そこでの日英の国民性や政治の違いみたいなものは強く感じますね。

今は「コロナ」という共通の課題を世界中がバーンと叩きつけられている状態じゃないですか。そんなことって今までほとんどなかったわけで、その課題を乗り越えようと各国が対策を練ってきた結果が今出てきていると思うんですけど、そこに国ごとの特徴が如実に表れていますよね。「日本っぽいなあ」「イギリスっぽいなあ」と、いい意味でも悪い意味でも思うところはあります。

─確かに、一概に優劣はつけられないですよね。

Yuto:そうなんです。いずれにしても「完璧な正解」などどこにもないし、いいことも悪いことも、みんなが「よかれ」と思ってやってきたことの中で起きているとしか言えなです。が、「違い」は確かに感じますよね。ヨーロッパの方が、最初の打撃がデカかった分、その段階でかなり迅速に動いていた。一方、日本は最初が結構大丈夫だったので「いけるやろ」と思ってズルズル先延ばしにしてきたことも多かったんじゃないですかね。それで対策も、その結果も他の国より周回遅れてしまったところがある気がします。そこもなんというか、日本っぽいなあと思いますし。

─全く同意見というか、歴史を鑑みると日本はその繰り返しですよね(笑)。で、そういったYutoさんの心の動きは、今作にどのくらい影響を与えましたか?

Yuto:アルバムの内容そのものにはコロナの影響ってそんなにないと思いますね。例えば歌詞の内容も、自分自身の内的世界と外の世界との関係性をテーマにしているので。ただ、コロナがアルバムを作る時間を与えてくれたわけですし、コロナ禍になっていなかったらきっと生まれていない作品だとは思います。

さっきも言ったように、コロナになる前は、いろんな場所へ行ったりいろんな人に会ったり、常に自分が外へと向かっていくフェーズが長かったんですよ。それがコロナで一旦リセットされ、自分の部屋で作品と向き合う時間が増えた。もう一度自分を見つめたり、対話したりしているうちに、自分がThe fin.を始めてからの8年くらいの間に経験してきたこと、感じてきたことがたくさん溜まっていたことに気づいたというか。しかも内向的な時間をたくさん過ごした分、そこからまた外へ向かっていけるようにもなって。ある種「チャージ」できたような感覚があるんですよね。

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