ABBA復活記念、究極の名曲トップ25

3位 「The Name Of The Game」(邦題:きらめきの序曲、1977年)

あらゆることに挑戦してきたABBAは、『The Album』という地味なタイトルでプログレッシヴの大作を手がけている。結果、フリューゲルホルンと教会オルガンに、「ドゥー、ドゥー・ドゥー」と囁くようなコーラスをフィーチャーした叙事詩が生まれた。ただし内容的には、シャイな女の子が少しだけ勇気を出して気取ってみるという、よくある話だ。「恥ずかしがり屋の子ども」が2度会っただけの相手に片想いして思い悩むという、テイラー・スウィフト的な歌詞の原型がここにある。“私は知りたい/もちろん知りたい!/この駆け引きが何なのか!”と歌うABBAの率直さは、女性たちの共感を呼んだ。



2位 「Knowing Me, Knowing You」(1976年)

ABBAと言えば、タイトなライクラのパンツスーツと悲劇的な失恋の組み合わせだ。キャロル・キングの『Tapestry』やフリートウッド・マックの『Rumours』のように、70年代のABBAもまた、破綻した結婚生活の上にハーモニーを重ねて覆い隠した。アグネタとアンニ=フリードは、思い出の詰まったがらんとした家の中を歩きながら、子どもたちの遊んだ部屋にさようならを告げる。静かに始まる「Knowing Me, Knowing You」は、心の痛むメロドラマへと展開する。最後は「ああ、そうね」と半分あきらめながら納得するのだが。クライマックスは、曲の始まりから3分後に訪れる。女性がもう一度、これまで住んだ家を振り返るものの、気が変わる前に急いで立ち去るのだ。



1位 「Dancing Queen」(1976年)

バンドの最も有名な曲が、本人たちのベストソングになることだってある。ポップスターの中のポップスターだったABBAは、誰にでも受け入れられる音楽を作っていた。だから、彼らが最も輝いた瞬間と彼らが広く愛されていた時期が重なるのは、詩的な意味でも納得がいく。「Dancing Queen」は、心の中でディスコの女王を夢見る女の子たちのアンセムとなった。周囲から見れば、ダンスフロアにたたずむシャイな少女でしかないのだが。

アグネタとアンニ=フリードが「タムバリーン…オー、イエーイ」と、喜びを爆発させる(この2人ほど“タンバリン”というフレーズを心地よく歌える者はいないだろう)。オープニングのピアノのグリッサンドから、誰でもフェロモン全開になるだろう。女の子が主役で、男の子はただの使い捨ての小道具でしかないダンスフロアでは、(1)ダンスする、(2)ジャイブする、(3)最高に楽しく過ごす、の意味を誰もが知っている(“誰でもキングになれる”とは、ABBAらしいフレーズだ)。あの娘を見て、あんなふうに踊ればいい、あなたもダンシング・クイーンになれる。



From Rolling Stone US.




ABBA
『Voyage』(邦題:ヴォヤージ)
2021年11月5日(金) 全世界同時発売
※日本盤CDはすべてSHM-CD仕様
試聴・購入:https://umj.lnk.to/ABBAPN

スタンダード・エディション(1CD)
価格:¥2,750(税込)

with 『アバ・ゴールド』(2CD)
限定盤 / 価格:¥3,960(税込)
今年7月に全英アルバム・チャートで1,000週チャートインした初のアルバムという大記録を樹立し、 日本でもミリオンセラーを記録している全19曲入りベスト・アルバム『アバ・ゴールド』をプラスしたCD2枚組の日本独自企画盤。

with 『アバ・イン・ジャパン』(CD+2DVD)
限定盤 / 価格:¥5,500(税込)
現在は入手困難な『アバ・イン・ジャパン』をプラスしたスペシャル価格の日本独自企画盤。1978年にプロモーションで初来日した際に制作された伝説的な特別番組「アバ・スペシャル」でのスタジオ・ライヴをDVD 1に収録。DVD 2には1978年、 1980年3月に実現した初来日公演時のそれぞれ来日ドキュメンタリーを収録。

with 『エッセンシャル・コレクション』(CD+DVD)
限定盤 / 価格:¥5,500(税込)
日本初発売となる全36曲入りのDVD『エッセンシャル・コレクション』をプラスしたスペシャル価格の日本独自企画盤。 日本では今回が初めてのリリースとなる同作は、 日本でも一連の代表的ヒット曲のミュージック・ビデオをはじめ、珍しいビデオ・クリップ、 スペイン語ヴァージョンのMVも収録。

ABBA日本公式ページ:https://www.universal-music.co.jp/abba/

Translated by Smokva Tokyo

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