ペンタトニックスが語るクリスマスへの特別な思い、アカペラ・グループとしての成長

ペンタトニックス(Courtesy of ソニー・ミュージックジャパンインターショナル)

ペンタトニックス(PENTATONIX)が最新アルバム『エヴァーグリーン』をリリース。往年のクリスマス名曲カバーにオリジナル曲、アレッシア・カーラやヴァイオリニストのリンジー・スターリングをゲストに迎えた楽曲など、ホリデー・シーズンにぴったりな14曲を収録した本作で、動画再生52億回を突破した「奇跡のアカペラ・グループ」はさらなる成長を見せている。リーダーのスコット・ホーイングが本作の制作背景と、について語ってくれた。


ー先日、『ラッキー・ワンズ』についてインタビューした際には、このクリスマス・アルバム『エヴァーグリーン』についてはまったく話題に上りませんでした。極秘プロジェクトとして進められていたんでしょうか(笑)。

スコット:そうそう、超極秘プロジェクトだよ、上手く隠し通したんだ(笑)。クリスマスの衣装を着て「イッツ・ビーン・ア・ロング・ロング・タイム」のビデオを撮って、このアルバムとクリスマス・ツアーの告知を同時にやろうと計画していた。ミュージック・ビデオみたいな形でね。でも、それまでは絶対に口外しないと決めていた。



ーこれまでにもクリスマス・アルバムは数枚発表していますし、クリスマスといえばペンタトニックスという印象もあるわけですが、今回のクリスマス・アルバムはこれまでと、どう違っていますか?

スコット:このアルバムでは、クリエイティヴ面でいっそう冒険したって感じかな。リスクを承知したうえで。それにペンタトニックスとしてスタートした当時のルーツに舞い戻ったという感じでもあるんだ。1カ月間スタジオを借り切って、毎日スタジオに通って、あれこれ言いながら、みんなでいろんな曲を歌ってインプロヴァイズ(即興・アドリブ演奏)していった。スタジオ内のそこらへんにある物を使って音を出したりとか、ビートを作ったり。すごくオーガニックで楽しい、そしてクリエイティヴな作業だったんだ。多くの曲を僕たちが顔を合わせながら一緒に歌ったよ。そう、すごくオーガニックで素晴らしいプロセスだった。

ーアルバムのタイトル曲でもある「エヴァーグリーン」は、ペンタトニックスのオリジナル・ナンバーです。どのような背景で生まれた曲ですか?

スコット:この曲は、クリスマスの準備をする母親について歌われているんだ。家族のために料理を作ってテーブルに並べて、全員のプレゼントをきれいに包んでクリスマスツリーの下に用意して……という骨が折れる仕事がいっぱいあるわけで、家族や子どもたちに、完璧で最高の想い出を作ってあげようと、そのためには労を惜しまない。経済的に恵まれていようと、そうでなくても、母親というのは家族にとって最高なクリスマスの想い出となるように、スペシャルな日となるように最善を尽くすんだ。ホントに凄いと思うんだよね。この曲では、そういった母の変わらぬ愛と、それを実感させられるクリスマスについて歌っている。



ーなんだか映画のワンシーンのようでもあり、情景が浮かびます。

スコット:サム・ディローサとエリック・レヴァという2人の素晴らしいソングライターと一緒に作った曲なんだ。僕たちがこの曲を是非ともアルバムに収録したいと考えたのは、全員がこの曲に共鳴したからなんだ。メンバー5人は、全員が母親に対して絶大なる愛情を抱いているし、それにいまでも母親とみんな仲良しなんだ。最初にこの曲を聴いた瞬間、みんなで思わず涙したよ。全員がそれぞれの家族のことを思い浮かべて、共感したんだ。というのもあって、この曲こそがアルバムのタイトルにはピッタリじゃないかと考えた。特別な思いが込められているんだ。それに”エヴァーグリーン”(=常緑樹/不朽の名作)という言葉は、アルバムのことを指しているとも、サウンドのことを指しているとも両方に取れるからね。

ーあえて“クリスマス”や“ホリデイ”という言葉をタイトルに入れずに、『エヴァーグリーン』としたのは?

スコット:これまではいつも“クリスマス”をタイトルに入れてきたけど、このアルバムではサウンド的にも冒険しているし、変化も必要じゃないかと思って。その変化を示すには、タイトルから変えるのも一案じゃないかと考えたんだ。

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