岡村靖幸『yellow』、当時のプロモーターと未だ得体の知れない才能について語る

岡村靖幸

日本の音楽の礎となったアーティストに毎月1組ずつスポットを当て、本人や当時の関係者から深く掘り下げた話を引き出していく。2021年11月の特集は「J-POP LEGEND FORUM 再評価シリーズ第1弾 岡村靖幸」。2021年11月16日に初めてのアナログ盤『家庭教師』が発売になる岡村靖幸のEPIC時代を辿る。11月第2週のパート2は、当時のプロモーター、現在はソニー・ミュージックダイレクト制作部部長・福田良昭と、元EPICソニー、現在は音楽制作事務所株式会社ニューカムの代表取締役・西岡明芳をゲストに1stアルバム『yellow』を再評価する。

田家秀樹:こんばんは。FM COCOLO「J-POP LEGEND FORUM」案内人・田家秀樹です。今流れているのは岡村靖幸さん「どぉなっちゃってんだよ」。1990年11月16日発売、4枚目のアルバム『家庭教師』の1曲目。アルバムの先行シングルとして1990年7月21日に発売されたのですが、当時は8cmCDでありました。今年の7月21日に31年振りに17cmのアナログ盤として発売されました今月の前テーマはこの曲です。

関連記事:岡村靖幸の名盤『家庭教師』、当時のプロモーターが背景を語る



先週はアルバム『家庭教師』にスポットを当ててお送りしましたが、今週は1987年3月に発売になった1stアルバム『yellow』のご紹介。ゲストに当時の担当者、元EPICソニー、現在は西野カナさんらが所属していた音楽制作事務所株式会社ニューカムの代表取締役・西岡明芳さん。そして、もう一方西岡さんに代わってプロモーターをおやりになった、先週も登場していただいた福田良昭さん。2003年に『yellow』をリマスタリングした時の担当でもありました。そして、現在の担当でもあります。こんばんは。

福田良昭:こんばんは!

田家:説明が長くなってすみません(笑)。この西岡さんと福田さんというEPICの当時の宣伝チームの主要なお2人がこうやって顔を揃えられる。

西岡明芳:まさか岡村のことでこうなるとは思わなかったよね(笑)。

福田:そうですね(笑)。

田家:西岡さんの方が先輩なんでしょ?

西岡:そうですね。僕はちょうど1983年ぐらいにEPICに。もともと僕はCBSソニーに入社してまして、人事異動でEPICになって。

田家:『yellow』は西岡さんがプロモーターとして、デビューの時に関わるようになった。どういう経緯で担当になったんですか?

西岡:僕は佐野元春くんの『VISITORS』というアルバム、それから渡辺美里ちゃんの『Lovin’ you』っていうアルバムを担当させていただいて、その頃からやはりハートランドと言いますか、春名源基さんのところと仕事をさせていただいたとことがありまして。忘れもしない1985年かな。美里ちゃんのカナ県(神奈川県民ホール)で紹介されまして。

田家:あ、コンサート会場で。

西岡:はい。もちろん、その前に美里ちゃんの楽曲を「GROWIN’ UP」とか、「Long Night」とかも書いてたし、その頃から本当に才能あるアーティストだなと思っていたので、彼がデビューするということでカナ県で紹介されたというのを未だに覚えています。その時の印象なんですけどね。今でも覚えているんだけど、あのホールの絨毯の上に座ってあぐらをかいている感じ。

田家:あぐらをかいてたんですか(笑)。

西岡:あぐらかいてた。なんであぐらかいてたかは分からないけども。

田家:そんな話を織り交ぜながら、アルバム『yellow』の話をしていこうと思います。西岡さんに今日は6曲選んでいただいたのですが、まずはアルバム1曲目「Out of Blue」です。

Rolling Stone Japan 編集部

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