岡村靖幸『yellow』、当時のプロモーターと未だ得体の知れない才能について語る

岡村靖幸





田家:1987年3月発売、岡村靖幸さんの1stアルバム『yellow』の1曲目「Out of Blue」。1986年12月1日にシングルとしても発売されました、デビュー曲。やっぱりこの曲を選ばれる?

西岡:この曲を聴いて新しさもあったし、やっぱりすごさというか。ちょうどその当時の話になりますけど、EPICって毎年何人か新人をデビューさせているんです。1986年の12月に岡村くんはデビューしたわけだけども、1987年に松岡英明、安藤秀樹、それから岡村靖幸。この3人をEPICは押していくんだということで、その先陣を切ったのが岡村くんという感じがあったので、この曲に対して思い入れが強いですね。

田家:この曲がデビューシングルに選ばれた経緯って覚えてらっしゃいます?

西岡:単純に言えばフックと言いますか、岡村くんの魅力が1番出ているからだったと思いますね。他の曲は別にということでは全然ないんですけども、もちろんその後に出てくるポップな曲もいっぱいあって。岡村靖幸の名刺代わりという意味ではこの曲が1番ふさわしかったのではないかと思いますね。

田家:今日は当時のいろいろな宣伝用のグッズと言うんでしょうか。プロモーション用のキットみたいなものをたくさんお持ちいただいて、「え、すごいね」って話だけで終わってしまいそうなのですが(笑)。

西岡:本当に好き勝手やらせてもらってましたね。

田家:これは1987年のお正月用のプロモーションキットなんでしょうね。

西岡:そうですね。媒体向けに今年はこいつらで行くぜというような意思表示、それで3人の曲をCD1枚にして、『Pride of ’87』という形で出しました。

田家:安藤秀樹さん、松岡英明さん、岡村靖幸さん。岡村さんは「Out of Blue」、「幾千年分のPAIN」、「RAIN」と3曲入っております。

西岡:これを持ってみんな媒体に行って、とりあえず売り込んだっていう感じですね。

田家:他にもカセットテープと本のような仕掛けのあるグッズ(笑)。

西岡:これはちょっと『007』的な感じかもしれないけども(笑)。やっぱり僕らはどうしても新人をやる時に目立ちたいというのがあったし、奇抜なことを考える意味で、外から見ると岡村くんのペーパーバック本かなと思うんだけど、中を見るとその中にカセットテープが入っていると。よくこんなことを考えたなと思いましたね。よくやらせてくれたなと。

田家:媒体の反応はどうだったんですか?

西岡:何人かに聞かせてもらって、ちょっと「陽水っぽいね」って言われたり。

田家:あ、当時は「陽水っぽい」って言われたんだ。声がハイトーンで陽水っぽく聴こえたんでしょうかね。

西岡:バックサウンドも含めて、陽水っぽいって言われたのはすごく印象的でした。

田家:でも、陽水さんこんな重低音じゃないもんな(笑)。重低音の音楽自体が、まずそんなになかったですもんね。福田さんはこの時は?

福田:岡村くんのデビューが1986年12月で、この時は北海道営業所があって、そこのブランチのEPICプロモーターとして駐在していて。彼が顔見世興行じゃないですけど。デビューで来ます、岡村靖幸です、よろしくお願いしますっていうのでシングルを引っさげてメディアやお店を回るんですけど。有線も回ったと思いますね。ですが、彼のピュアさみたいなものを感じた2日間というのがありまして、それが岡村くんの最初の印象ですね。

田家:それは新人らしかった、初々しかったということですか?

福田:初々しかったというのも、もちろんそうなんですけども人間的にすごいピュアなんだなというか。擦れてないと言うと、ちょっと言葉が違うけど……。

西岡:その通り。こっちはその頃はちょっとこなれているし、業界の嫌な部分をいっぱい持ってたけど。岡村はピュアだったかもしれないね。

Rolling Stone Japan 編集部

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