「ツタロックDIG LIVE Vol.8」2年振りの有観客開催、11組のバンドが魅せた圧倒的熱量

「広島から10時間かけてやってきました!」と溌溂としたMCで観客を沸かせていたのがbokula.だ。平均年齢20歳ながら今年からインディレーベルLD&Kが新レーベル「STAY FREEEE!!!!!!!!」に所属し、先日まではヤングスキニーらと共にツアーをこなすなど、全国に飛び回ってライブをこなしつづけてきた。タイトなバンドアンサンブルと印象的かつ多彩なギターリフの数々で観客を盛り上げていき、ミドルテンポ一切なし、アップテンポのみの全球ストレートな熱演を披露。いまもっとも見るべきライブバンドではなかろうか。


bokula.

bokula.の熱演を隣のステージ上からじっと見ていたのが、3人組で活動しているthe quiet room。茨城県水戸市で結成され、北関東〜東京を中心に活動し、10年ものキャリアを積んできた彼らが今年ついにファーストアルバム『花束のかわりに』を発表。この日参加したバンドでも随一の経験値を活かし、大きな身振り手振りで観客をたくみに盛り上げていく。加えて印象的だったのは、この日立ったメンバー4人が終始笑顔でライブしていたこと。「ライブハウスにいまこんなに人がいることに感動している」という菊池遼のMCは、偽らざる本音だったことが伝わってくるライブだった。


the quiet room

2020年8月結成されたばかりのヤングスキニーは、メンバーもまだ20歳が中心となったバンドだ。「ワンナイト」「バンドマンの元彼氏」や、この日は演奏されなかったが「世界が僕を嫌いになっても」など、リアリティに溢れすぎているほどに綴られた生活感や心情の機微は、男女関わらずに胸を打つものだ。ささくれ立った感覚を包み込んだ楽曲群を淡々と演奏をつづけ、孤独感や寂しさをひと際に感じさせる歌声で引き込んでいた。今後彼らがどのようなバンドになっていくのか楽しみだ。


ヤングスキニー

Rolling Stone Japan 編集部

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE