ダイアナ・ロスが語る、22年ぶりの新作『Thank You』への想い

ダイアナ・ロス(Photo by Ross Naess)

オリジナル作品としては実に22年振りとなるニュー・アルバム『Thank You』をリリースした歌姫、ダイアナ・ロス。主にダイアナ自身の自宅スタジオでレコーディングされ、ジャック・アントノフやトロイ・ミラー、トライアングル・パークといった錚々たるプロデュース陣を迎えて制作された本作は、往年の楽曲を彷彿とさせつつも現代のサウンドとしても広く受け入れられる巧妙なバランス感覚を備えた1枚となっている。現在77歳のダイアナが久々の新作に込めた想いとはいったい何だったのか。本人自らニュー・アルバムについて語った貴重なインタビューをお届けする。


―待望の新作『Thank You』ですが、制作のきっかけを教えていただけますか?

ダイアナ:今回のアルバムの曲は、皆さんへの感謝と愛を形にしたものよ。こんな状況の中でこの素晴らしい作品を作ることが出来て、とても嬉しいわ。(新曲「カム・トゥギャザー」歌詞の一節を引用して)“私は私の道を歩く。私の前をあなたが歩く。私たちはひとつ”ということね。これらの曲たちは私の心からの贈り物で、皆さんとシェア出来ることにとても喜びを感じているわ。



―今回のレコーディングは、あなたにとってどんなものでしたか?

ダイアナ:私のホーム・スタジオでレコーディングしたんだけど、そのおかげでとてもパーソナルな体験となった。毎朝起きてすぐに歌い始める、という感じだったわね。私はいつも音楽を愛しているし、その感情が新しい作品に繋がったということがとても嬉しいの。歌うことが大好きだし、歌詞やメッセージに強い力があることを信じている。今回生まれた曲はそういった愛の結晶で、聴いてくれる皆さんがそういったことを感じてくれることを願っているわ。

―あなたのこれまでの楽曲には愛についてのメッセージが多く含まれています。今回の作品にもそれが受け継がれているのでしょうか。

ダイアナ:“Love”は「愛する」という意味の動詞。そしてこのアルバムは「愛する」こと、共にいることに対する力強いメッセージなの。この愛のソングブックを、私は感謝をもってリスナーたちに贈りたい。このアルバムを皆さんに届けることができてとても光栄よ。私がこの作品を作っていた時に感じた喜びを皆さんにも感じてもらえれば嬉しい。皆さんが愛と素晴らしい思い出に満ちた人生を送れますように。



―ソングライティングのやり方について、少しお話をいただけますでしょうか。

ダイアナ:机に向かって日記を書く時に、自分がどうなりたいか、みんなが幸せになるために自分がどうあれば良いか、といったことについて書き留めていたわ。

そしてインスピレーションは全てのものから受け取っていた。例えば空ね。エネルギーはそこら中に満ちているし、自分の中にも存在する。今回の曲のタイトルは、人生という美しい旅のどこに私が立っているか、ということを表現しているわ。「カム・トゥギャザー」、「ビューティフル・ラヴ」、「レッツ・ドゥ・イット」、「アイ・スティル・ビリーヴ」、「イフ・ザ・ワールド・ジャスト・ダンスド」、そして「オール・イズ・ウェル」といった風にね。

―あなたの楽曲を素晴らしいものにしている要素は何だと思いますか。

ダイアナ:人々の心に残るメロディと、心の奥から生まれてくる歌詞。音楽は記憶を持つヴァイブレーションであり、美しい香りのようなものよ。

―曲を選ぶ時のポイントはありますか。

ダイアナ:心と感情を大切にするようにしているわ。時には曲の方が私を見つけてくれることもあるわね。


RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE