ダイアナ・ロスが語る、22年ぶりの新作『Thank You』への想い

コロナ禍に見つけたもの、この世界に望むこと

―コロナ禍が蔓延し始めてから約15カ月が経ちましたが、どのような生活を送っていましたか。

ダイアナ:私にとって一番大切なものは何か、毎日考えていたわ。「タオのプーさん」という本を読んだんだけど、そこではクリストファー・ロビンが「きみがこの広い世界で一番したいことはなんだい?」とプーさんに問いかけているの。そこでそれを自分でも考えてみることにしたのよ。私は希望の光を見つけたい。感謝の気持ちをみんなへ伝えたい。そしてこの特別なアルバムを作ることに決めたの。言葉や考えの全てがここでは重要。愛や感謝を伝えることについての作品なのよ。愛さえあれば、きっとうまくいく。時の流れに身を任せれば、きっと大丈夫。

―コロナ禍の不安定な状況で、ご自身のバランスをどのように取っていますか?

ダイアナ:人生とは常に移り変わっていくもの。このような状況の中で今回の曲たちが生まれたの。自分の考えを通してフィジカルやメンタル面も常に変わっていきたいと思っているわ。「自分は今何を考えているんだろう」「何について思いを巡らせたいんだろう」といったことを考えているうちに、今回の曲たちが生まれたというわけよ。

―このコロナ禍で、自分にとって何が大切で、価値があるのかについて多くの人々が深く考え、答えを見つけたのではと思います。あなたにとってはどうでしたか。

ダイアナ:ええ、私にとって大切なのは家族で、子どもや孫たちと一緒にいることが何より重要。一緒にいられない時でもZoomやFaceTimeで顔を見ていたわ。写真もたくさん送ってくれたし、それ無しではこの恐ろしい時間をやり過ごすことは出来なかったと思う。自分はとても恵まれているということを何度も感じる日々だったわ。日々の多くの「ありがとう」や「感謝」が、人生における変化にも上手く対応させてくれるんだと思う。



―来年ツアーなどは予定していますか? ライヴ・パフォーマンスで最も喜びを感じるのはどんな時でしょうか。

ダイアナ:その話はよく聞かれるわね。来年の夏頃にはツアーに出られるんじゃないかと思っていて、それを楽しみにしているわ。オーディエンスのみんなに会えるのはショウの中でもとてもエキサイティングな瞬間。ステージにあがるたびに、みんなと繋がっているという感覚があるわ。みんなの顔を見渡すのがとても好きなの。みんなが私の顔を見ているとき、私もみんなの顔を見ているということ。全てはあなたと私のギヴ・アンド・テイクなのよ。私たちは一つで、決して一人ではない。ミュージシャンは皆ファミリーだし、この仕事は素晴らしいといつも思っているわ。

ステージに戻ることが出来ることはとても嬉しい。あのエネルギー、オーディエンスとの繋がり……これらの魔法が私を勇気づけるの。体が浮かび上がってみんなに近づいているように感じることもあるわ。パフォーマンスする曲はどれも大好きだし、それを聴いているみんなを見るのも大好きよ。

―今この世界に対して、あなたが望むことは何でしょうか。

ダイアナ:私が常に変わっているように、世界も常に変わっている。何か望むことがあるとすれば……団結、喜び、感謝、笑顔、そして愛かしら。愛があれば全てを成し遂げることが出来ると学ぶことが大切だと思う。毎日が宝物で、心の中に常に歌を持っておくことね。






ダイアナ・ロス
『Thank You』
発売中 SHM-CD ¥2,860(税込)
視聴・購入:https://lnk.to/diana_thankyou

日本公式ページ: https://www.universal-music.co.jp/diana-ross/

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