ONE OK ROCKのTakaが語る、生きること、夢を追うこと、手を差し伸べ合うことの大切さ

今までよりも尖った形で表現できている

ーでも、今のONE OK ROCKって近視眼的にファンが喜ぶことだけをやろうとしているんじゃないと思うんですよ。もちろん、ファンというか仲間の方を向いているんだけど、リリースされる楽曲はどんどんそれとは対称的に先鋭化している。エド・シーランとの共作曲「Renegades」もそうですし、10月22日にリリースされた新曲の「Wonder」は、ギター・ロックの今を更新するようなプロダクションの意欲的な楽曲になっていて。きちんと更新されているし、ポップなんだけど、どんどん鋭利になっている。

そう言ってもらえるのは、すごく嬉しいですね。「ポップ」って「万人受け」っていう言葉と僕の中では繋がっているんですけど。「ポップ」なものを作るっていうのは、すなわち新しいファンを獲得していこう、リーチアウトしていこうっていうスタンスの現れだと思うんですよね。自分たちみたいなある程度キャリアのあるロックバンドでも、まだ新しいファンの人達に出会いたいと思って楽曲を作っているっていう、そのアティチュードを見せることが重要なのかなって。それはファンやシーンにおもねっているってのとは違う。

僕らのことをずっと好きなファンは、作品ももちろんですけど、どちらかというと僕らの生き様とかやり方をエキサイティングだと思ってくれてると思うんですね。自分もそうですけど、特定のアーティストを本当に好きになるときって、音楽性もそうですけど、やっぱりその人達の人間性に惹かれるところがあるので。だから、ファンの人達と人間性の部分でリンクすることができたら、どんな楽曲をリリースしても、大丈夫だっていう安心感があるんですよね。

そのディープなつながりさえあればファンの人達は僕らが今までと違うサウンドの曲を出しても、理解しようとしてくれるし、なにかそこには意味があるんだろうなって考えてくれる。僕は自分のファンの人達とは、そういう深いレベルで繋がりあえているっていう認識を勝手に持っているので。だからこそ、自分たちが本当に表現したいことや、世の中とか社会に対して思うことっていうのは、今までよりももっと尖った形で表現できているんだと思うんです。





ーなるほどなぁ。すごく面白いです。それは「仲間」に対する信頼ですよね。そういう人たちがいてくれるからこそ、自分たちはより自由に尖った表現ができるという。……ちょっと話は変わるんですけど、最近、SNSで「ONE OK ROCK」と検索すると日本語以外の言語での書き込みを、以前よりも数多く目にするようになった気がするんです。海外における「仲間」の繋がりも、より広く・深くなってるんじゃないかと思うんですよね。

いやー、それは……どうなんでしょうね(笑)。正直、今はまだワールド・ツアーにも出られてないですし、今の今、世界で自分たちがどこまで認知されているのかっていうのは現実問題、確認しようがないっていう状況ではあるんですけど。でも、こうやってアメリカに暮らしていると、肌感覚として、海外での活動を始めた数年前と比べると、ちょっとずつ何かが変わってきているな……っていう実感は確かにありますね。

ーそういう意味でいうと、先程、話題にもあがったドキュメンタリーはNetflixで全世界に向けて配信になったじゃないですか。この作品はオンライン・ライブができるまでの3カ月に密着しつつ、同時にONE OK ROCKというバンドの歴史も詳細に描かれていましたよね。この作品を通して、さらに多くの海外の人たちがバンドのことを知る機会になるんじゃないかな、と。

そうですね。ONE OK ROCKを今のタイミングで知った日本も含めた全世界の新しいファンのみなさんに自分たちの歴史を知ってもらえる、いい機会になりましたよね。全然、僕らのことを知らない人が観て面白い作品かどうかは正直、自分ではよくわからないんですけど(笑)。でも興味を持ってもらえたら、嬉しいですね。

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