岡村靖幸が禁断のエロスに取り組んだ『DATE』、当時のプロモーターが振り返る



田家:西岡さんが選ばれた4曲目「いじわる」。

西岡:この曲で1番印象に残っているのが詞の世界観。よく聴いていただければ分かると思うんですけど、〈靖幸の〉って人称が出てくる。愛されたいなら靖幸のベッドでというダイレクトな感じで詞を作ってきた。中では染めている髪のことも当時のディスコに行った時の風景も書かれている。僕らは仕事も一生懸命やってましたけど、遊びも相当一生懸命やっていたんですね。

田家:いろいろなことの中にそこも入っているんですね(笑)。

西岡:その中の光景も全部浮かぶなって感じだったので、そういう意味合いで想い出深い曲。この曲を聴くと、ワクワクする感じがあります。

田家:「いじわる」、詞をじっくりお聴きください。ユカという女の子が出てきます。エッチな岡村ちゃんというイメージがこの曲で作られたのかもしれないと(笑)。

西岡:かっこいいね、でもねー本当に素晴らしいよなあ。たしかにこの曲をやる時には挑発行為的なものがあったかもしれない(笑)。

田家:福田さんが当時EPICの洋楽で手がけられていた向こうのアーティストのラブソング、特にブラック系の人の中にはエロティックな歌はかなりあったでしょ?

福田:あったと思いますよ。これよりも過激と言うとあれですけど、もともとブラックミュージックの歌詞って一部では艶めかしいというか。そういう詞がダイレクトにあったので、日本語っぽくこういうふうにした岡村くんは結構パイオニアだなと思います。

田家:日本のポップス、歌謡曲はそういうのを避けてきたところがありましたからね。その枠を越えた1曲と言ってしまっていいんでしょうね。

福田:いいと思いますね。

Rolling Stone Japan 編集部

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE