トニー・アイオミ、ブラック・サバス『13』以来の新曲を発表

 ー香水にはどの程度興味を持っていたのでしょうか?

ブラック・サバスとして米国でツアーを始めた頃から、より興味を持つようになった。モールやショップへ出掛けては、お気に入りが見つかるまでさまざまな種類を試して購入していた。しばらくはひとつのお気に入りを使っているが、そのうちにカルティエやトムフォードやその他のブランドへと、好みも変わっていくのさ。そして長年の試行錯誤を経て、ついに自分のカスタム・モデルを手にすることができた。

ーセルジオと開発を進める中で、最も気に入った香りは何だったでしょうか?

いくつかのサンプルはあまりにも酷かったので、彼に投げつけようかと思ったよ。しかし他のサンプルは素晴らしかった。俺は、新車に乗り込んだ時のレザーの香りや、コーヒーの香りが好きだ。今回の香水のメインとなる素材は、パチョリだった。60年代を思い出すよ。マリファナの匂いを隠すために使っていたからね(笑)。

ー「Scent of Dark」は、どのようなプロセスで作られたのでしょうか?

ここ数年はマイク・エクセターと一緒に、多くのギターリフや楽曲をレコーディングしていた。今回選んだ曲に関しては、誰かが歌う姿を想像できずにいた。だから、インストゥルメンタル曲として仕上げるのがいいと思ったのさ。そして、新しい香水をイメージしたダークなギターリフを加えた。バイオリンとチェロをフィーチャーしたいとも思っていた。そうやって新曲ができあがった。

ー新曲のストリングスは、サバスのアルバム『サボタージュ(原題:Sabotage)』に収録された「帝王序曲(Supertzar)」を思わせます。

俺は、実験的な試みが好きだ。ギターにチェロやバイオリンが絡み合うサウンドも好きなのさ。リアルに「厳粛」な感覚を受けるだろう。いい雰囲気だ。

>>関連記事:ブラック・サバス50周年、革命的なデビューアルバム制作秘話

ー今回の「Scent of Dark」のように、ギターリフを作る時に心がけていることはありますか?

神秘的なサウンドを目指して作っている。もちろんセルジオもさまざまな曲のタイトルのアイディアを出したが、最終的に「Scent of Dark」に決まったんだ。



ギタリストのトニー・アイオミ(左)と香水メーカーのセルジオ・モモ(右)

ーセルジオは、あなたの隣でギターを弾くことに緊張している様子はありましたか?

少しね。でも問題ない。彼は自分のパートを上手くこなしてくれたよ。2人で香水を作り、2人で楽曲を仕上げたということに意味がある。最初から最後まで2人でやり通したコラボレーションだと言える。

ーバーミンガム大聖堂のために書いた「How Good It Is」とは違った感じの今回の曲作りは、いかがでしたか?

「How Good It Is」では聖歌隊を採り入れ、アコースティックギターという全く異なる路線に挑戦した。今回は、俺の得意なヘヴィーな曲だ。大聖堂の依頼を受けた時は「教会向けの厳かな曲なんて、俺に弾けるだろうか。聖歌隊をフィーチャーするのだから、大聖堂に相応しい作品でなければならない」と思った。今までとは違ったアプローチだったね。

Translated by Smokva Tokyo

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